【ティラノサウルス科】国内初!熊本・天草で「下あご」の化石を発見。全長8mの新種か?

2024年2月、日本の恐竜研究史を塗り替えるニュースが発表されました。
熊本県天草郡苓北町(れいほくまち)で、大型肉食恐竜であるティラノサウルス科の「下あごの骨」が発見されたのです。
これまで国内では「歯」しか見つかっていませんでしたが、「骨」が確認されたのは今回が初めて。
全長8〜9mと推定されるこの恐竜は、アジアの進化史における空白を埋める新種の可能性が高いとされています。
本記事では、この歴史的発見の詳細や、CTスキャンで判明した「交換歯」の存在など、化石が語る驚きの事実を解説します。
10年越しの真実!黒い石から見つかった「国内初の骨」
発見の舞台は、約7400万年前(白亜紀後期)の地層が広がる熊本県天草郡苓北町です。
2014年の発見とクリーニング
化石自体は2014年、御所浦白亜紀資料館と福井県立恐竜博物館の共同調査で見つかっていました。
当初は黒い岩の中に埋もれており、「木の化石ではないか」とも思われるほど見分けがつかない状態でしたが、その後の慎重なクリーニング作業で「重要な化石」である可能性が浮上しました。
CTスキャンで正体が判明
2022年からのCT調査により、内部構造が鮮明になりました。
その結果、肉食恐竜の下あご(歯骨)が左右重なり合って保存されていることが判明。
2024年2月、ついに「国内初となるティラノサウルス科の下あごの骨」と断定されました。
頑強なハンターの証:化石の特徴と「交換歯」
発見された化石(標本番号:GCM-VP750)には、ティラノサウルス科特有の特徴が刻まれていました。
頑丈さと歯の断面
あごの骨は高さ約8cmと非常に分厚く、強力な噛む力を持っていたことを示しています。
また、歯の断面が「ふくらみのある楕円形」をしており、これは肉だけでなく骨も噛み砕くティラノサウルス科の決定的な特徴と合致しました。
永久歯ではない?「交換歯」の発見
さらに驚くべきことに、あごの骨の内部には、次に生えてくるための「交換歯(こうかんし)」が形成されている様子まで確認されました。
保存状態が極めて良く、当時の生態を知る情報の宝庫と言えます。
全長8〜9m!アジアの空白を埋める「新種」の可能性
日本の食物連鎖の頂点
あごのサイズから推定される全長は約8〜9m。
最大のTレックス(約12m)よりは小型ですが、当時の日本の生態系においては間違いなく頂点捕食者でした。
アジアの進化史における「空白の環」
約7400万年前のアジアにおいて、ティラノサウルス科の確実な化石記録は非常に稀です。
北米では多様な種が知られていますが、アジアでは情報が不足していました。
そのため、この化石は既知の種とは異なる新種の可能性が高いとされています。
なぜ「歯」ではなく「骨」が重要なのか?
今回の発見が「国内初」として騒がれる理由は、「歯」ではなく「骨」だった点にあります。
歯
抜け落ちやすいため、その場所で死んだとは限らない。
骨(あご)
体の一部であり簡単には抜けないため、その場所で恐竜が死んで埋まった可能性が高い。
つまり、近くに頭骨の他の部分や全身骨格が眠っている可能性があり、今後の追加発見に大きな期待が寄せられています。















