恐竜の夜明け!三畳紀の時代背景と恐竜の進化

三畳紀(2億5100万年〜1億9960万年前)は、恐竜が初めて地球に姿を現した記念すべき時代です。
この時代を語る上で欠かせないのが、三畳紀に入る直前に起こったP-T境界(ペルム紀/三畳紀)の大量絶滅です。
地球上の生物種の約95%が死滅するという壊滅的な出来事の後、生命が再び繁栄する「生命再生の時代」として三畳紀は幕を開けました。
【三畳紀初期】恐竜はまだ無名の存在だった?
三畳紀の初期・中期には、恐竜はまだ生態系の主役ではありませんでした。
ワニの祖先や翼竜など、他の巨大な爬虫類が圧倒的な勢力を誇り、恐竜の割合はわずか5%程度だったと考えられています。
この時期の恐竜は、むしろ目立たない存在だったのです。
【三畳紀後期】恐竜の本格的な進化がスタート
しかし、三畳紀後期に入ると状況は一変します。
環境の変化によって多くの植物食動物が絶滅し、恐竜が優位に立つための「空白」が生まれました。
この時期に、現在の恐竜分類の基礎となる「獣脚類」「竜脚形類」「鳥盤類」という3つの主要グループが登場します。
特に肉食の獣脚類(ティラノサウルスなどの祖先)と巨大な草食の竜脚形類(アパトサウルスなどの祖先)は急激に数を増やし、繁栄の道を歩み始めます。
大陸移動が恐竜の繁栄を後押し
当時の地球は、まだ大陸が一つにまとまった超大陸パンゲアでした。
大陸が分断されていなかったことで、恐竜は陸地を自由に移動でき、生息域を一気に広げることができたのです。
この三畳紀の小さな一歩が、その後のジュラ紀、白亜紀へと続く「恐竜時代」の壮大な物語の始まりとなりました。