バンビラプトル Bambiraptor 名前の由来 バンビのような泥棒科名 ドロマエオサウルス科分類 双弓亜綱、竜盤類、獣脚類生息地(発見地) アメリカ時代 約8360万年前~7210万年前(白亜紀後期)全長 約1.3m体重 約2〜5kg食性 肉食解説恐竜と鳥類。 かつては別物と考えられていた両者を繋ぐ存在として始祖鳥が有名ですが、1990年代のアメリカで、進化の過程を解き明かすさらに重要な化石が発見されました。その恐竜の名は「バンビラプトル」。ディズニー映画のキャラクター名を冠したこの小型恐竜は、全身の骨の95%が保存されているという奇跡的な状態で発見され、古生物学者たちに「現代のロゼッタ・ストーン」と言わしめるほどの衝撃を与えました。14歳の少年と奇跡の化石:「ロゼッタ・ストーン」の発見95%が揃った完璧な標本バンビラプトルの物語は、ある少年の手柄から始まりました。 アメリカ・モンタナ州で化石探しをしていた当時14歳のウェス・リンスター少年が発見した化石は、なんと全身の95%強の骨が揃っていました。通常、小型恐竜の骨は風化しやすいものですが、この標本は完璧でした。 古代文字解読の鍵となった石碑になぞらえ、「現代のロゼッタ・ストーン」としてアメリカ自然史博物館に大切に保管されています。「バンビのような泥棒」2000年に記載された学名「バンビラプトル・ファインベルギ」の属名は、「バンビのような泥棒」を意味します。 由来は、発見された個体が幼体であり映画『バンビ』の小鹿のように小さかったから、あるいはイタリア語で赤ちゃんを意味する「バンビーノ」から来たなど諸説ありますが、その愛らしいイメージが名前の元になっています。北米の始祖鳥?鳥類に最も近い恐竜の特徴バンビラプトルが「ロゼッタ・ストーン」と呼ばれる最大の理由は、身体構造が驚くほど鳥類に似ているからです。 多くの研究者が「始祖鳥の北米バージョン」と評価する、その具体的な共通点は以下の通りです。叉骨(さこつ)鳥が羽ばたく際にバネとなる、胸のV字型の骨(ウィッシュボーン)を持っていました。骨化した胸骨飛翔に必要な筋肉を支える骨も確認されています。翼のような腕腕と手は非常に長く、前肢を鳥の翼のように折りたたむことが可能でした。気嚢(きのう)骨の内部には、鳥類同様に肺につながる「気嚢」の痕跡があり、活発な代謝(温血性)を示しています。発見された化石に羽毛の痕跡はありませんでしたが、これらの特徴から、生前は全身がフサフサの羽毛で覆われていたことはほぼ確実視されています。愛らしい名前、凶暴なハンター小さな殺し屋「バンビ」という名前に反し、その実態はドロマエオサウルス類(ラプトル)特有の凶暴なハンターでした。 発見された幼体は全長70〜90cm(成体推測1.3m)。 人間より小さいですが、鋭い歯と、ラプトルの象徴である「鎌のようなカギ爪(シックルクロー)」を備えていました。脳の大きさと樹上生活説特筆すべきは脳の大きさです。 体のサイズに対する脳の比率は、他のどの恐竜よりも大きく、特に運動制御を司る小脳が発達していました。 この高い知能と敏捷性について、古生物学者デイヴィッド・A・バーナムは以下の仮説を立てています。樹上生活説木の上でバランスを取るために脳が発達した。活発な捕食者説すばしっこいトカゲや哺乳類を追うために進化した。※ただし、発見されたのが幼体であるため、脳の比率が大きく出ている可能性も指摘されています。残された謎:成体はどこに?分類の議論現在知られている情報の多くは、最初に発見された幼体の化石に基づいています。 成体の詳細がはっきりしないため、一部の研究者からは「バンビラプトルは独立種ではなく、同時代のサウロルニトレステスの幼体ではないか?」という議論も存在します。 この愛らしい名前の恐竜が確固たる地位を築くには、さらなる研究が待たれています。 PREV ビロノサウルス バリオニクス NEXT この恐竜を見た人はこんな恐竜も見ています トロサウルス Torosaurus 分類周飾頭類 特徴草食恐竜 時代白亜紀 ナノティラヌス Nanotyrannus 分類獣脚類 特徴肉食恐竜 時代白亜紀 ファシャグナトゥス Huaxiagnathus 分類獣脚類 特徴肉食恐竜 時代白亜紀 オリクトドロメウス Oryctodromeus 分類鳥脚類 特徴草食恐竜 時代白亜紀 スポンサーリンク スポンサーリンク
解説
恐竜と鳥類。
かつては別物と考えられていた両者を繋ぐ存在として始祖鳥が有名ですが、1990年代のアメリカで、進化の過程を解き明かすさらに重要な化石が発見されました。
その恐竜の名は「バンビラプトル」。
ディズニー映画のキャラクター名を冠したこの小型恐竜は、全身の骨の95%が保存されているという奇跡的な状態で発見され、古生物学者たちに「現代のロゼッタ・ストーン」と言わしめるほどの衝撃を与えました。
14歳の少年と奇跡の化石:「ロゼッタ・ストーン」の発見
95%が揃った完璧な標本
バンビラプトルの物語は、ある少年の手柄から始まりました。
アメリカ・モンタナ州で化石探しをしていた当時14歳のウェス・リンスター少年が発見した化石は、なんと全身の95%強の骨が揃っていました。
通常、小型恐竜の骨は風化しやすいものですが、この標本は完璧でした。
古代文字解読の鍵となった石碑になぞらえ、「現代のロゼッタ・ストーン」としてアメリカ自然史博物館に大切に保管されています。
「バンビのような泥棒」
2000年に記載された学名「バンビラプトル・ファインベルギ」の属名は、「バンビのような泥棒」を意味します。
由来は、発見された個体が幼体であり映画『バンビ』の小鹿のように小さかったから、あるいはイタリア語で赤ちゃんを意味する「バンビーノ」から来たなど諸説ありますが、その愛らしいイメージが名前の元になっています。
北米の始祖鳥?鳥類に最も近い恐竜の特徴
バンビラプトルが「ロゼッタ・ストーン」と呼ばれる最大の理由は、身体構造が驚くほど鳥類に似ているからです。
多くの研究者が「始祖鳥の北米バージョン」と評価する、その具体的な共通点は以下の通りです。
叉骨(さこつ)
鳥が羽ばたく際にバネとなる、胸のV字型の骨(ウィッシュボーン)を持っていました。
骨化した胸骨
飛翔に必要な筋肉を支える骨も確認されています。
翼のような腕
腕と手は非常に長く、前肢を鳥の翼のように折りたたむことが可能でした。
気嚢(きのう)
骨の内部には、鳥類同様に肺につながる「気嚢」の痕跡があり、活発な代謝(温血性)を示しています。
発見された化石に羽毛の痕跡はありませんでしたが、これらの特徴から、生前は全身がフサフサの羽毛で覆われていたことはほぼ確実視されています。
愛らしい名前、凶暴なハンター
小さな殺し屋
「バンビ」という名前に反し、その実態はドロマエオサウルス類(ラプトル)特有の凶暴なハンターでした。
発見された幼体は全長70〜90cm(成体推測1.3m)。
人間より小さいですが、鋭い歯と、ラプトルの象徴である「鎌のようなカギ爪(シックルクロー)」を備えていました。
脳の大きさと樹上生活説
特筆すべきは脳の大きさです。
体のサイズに対する脳の比率は、他のどの恐竜よりも大きく、特に運動制御を司る小脳が発達していました。
この高い知能と敏捷性について、古生物学者デイヴィッド・A・バーナムは以下の仮説を立てています。
樹上生活説
木の上でバランスを取るために脳が発達した。
活発な捕食者説
すばしっこいトカゲや哺乳類を追うために進化した。
※ただし、発見されたのが幼体であるため、脳の比率が大きく出ている可能性も指摘されています。
残された謎:成体はどこに?
分類の議論
現在知られている情報の多くは、最初に発見された幼体の化石に基づいています。
成体の詳細がはっきりしないため、一部の研究者からは「バンビラプトルは独立種ではなく、同時代のサウロルニトレステスの幼体ではないか?」という議論も存在します。
この愛らしい名前の恐竜が確固たる地位を築くには、さらなる研究が待たれています。