イグアノドン Iguanodon

名前の由来

イグアナの歯

科名

イグアノドン科

分類

双弓亜綱、鳥盤類、鳥脚類

生息地(発見地)

イギリス、ベルギー、フランス、スペイン、ドイツ、アメリカ、アフリカ、モンゴル、北極圏

時代

1億5000万~1億2600万年前(ジュラ紀後期~白亜紀前期)

全長

約7~9m

体重

約5トン

食性

植物食

解説

イグアノドンは、きわめて有名な恐竜のひとつであり、正式に学名がつけられた恐竜としては2番目に古い恐竜です。
初めて学問的に研究された恐竜の一つでもあります。

親指のスパイク

イグアノドンの最大の特徴は、手の親指にある鋭いスパイクです。
このスパイクを護身用の短刀のように使い、襲ってきた獣脚類の眼を突いて身を守ったとも考えられています。

人差し指、中指、薬指の3本の爪はひづめ状で、歩行の際に体重を支えました。
小指は器用に曲げることができ、植物などをつかむのに役立ちました。

イグアノドンのからだ

19世紀後半から20世紀半ばまで、イグアノドンは後肢だけで立ち上がって歩いたと考えられていました。

後肢だけで立ち上がって歩いたと考えられていた

後肢だけで立ち上がって歩いたと考えられていた

新しい知見では、しばしば屈強な前肢と頑丈なひづめを用いて四足で行動し、走るときには後肢で立ち上がったと考えられています。

丈夫な歯

イグアノドンは、角質の硬いクチバシで植物の葉を摘み取っていました。

クチバシで植物の葉を摘み取っていた

クチバシで植物の葉を摘み取っていた

口の中には、噛み合わせの面がでこぼこした歯が列をなし、激しく噛んで葉を粉々に擦り潰して食べていました。

歯は薄く、縁に鋭いぎざぎざがあり、植物を噛み切るのにも適していました。
その形状が、現在中南米に生息するイグアナと似ているため、名前の由来となりました。
そればかりか、全身骨格が発見されるより前は巨大なイグアナとして復元されていました。

鋭い感覚

イグアノドンは予脳(匂いや味の感覚をつかさどる部分)がよく発達しており、嗅覚や味覚は優れていたと考えられています。

おそらく、隠れている捕食者や、遠く離れた好みの植物を嗅ぎつけることができたのでしょう。

広大な生息域

イグアノドンは、身を守るために、おそらく群れをつくって暮らしていたと考えられています。

おそらく群れをつくって暮らしていた

おそらく群れをつくって暮らしていた

この恐竜は活動的で、非常に広範囲に生息した可能性があります。
イグアノドンか、これに近い仲間の分布域はアフリカ、北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、北極圏まで広がっていました。

重要な発見

1822年、有名な化石ハンターであるギデオン・マンテルの夫人、メアリー・アン・マンテルが最初に発見したイグアノドンの化石は歯でした。
彼女の夫は、これが絶滅した爬虫類のものだと信じましたが、多くの科学者はサイの歯だと彼に語りました。

1878年、ベルギーの炭坑内の地層から、坑夫によって30体を超す全身骨格を含んだボーン・ベッド(ある程度特定の種類の化石が多く埋まっている地層)が発見されました。
これにより、科学者らは、イグアノドンについて以前よりはるかに多くの情報を得ることができました。

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