アグスティニア Agustinia

名前の由来

アグスティンのもの

科名

アグスティニア科

分類

双弓亜綱、竜盤類、竜脚形類

生息地(発見地)

アルゼンチン

時代

約1億1600万〜1億年前(白亜紀前期)

全長

約15m

体重

不明

食性

植物食

解説

アグスティニアは、白亜紀前期の南アメリカに生息していた非常にユニークな恐竜です。
その姿は、剣竜類や鎧竜類、そしてヤマアラシを組み合わせたような外観を持つ竜脚形類であり、その名は発見者であるアグスティン・マルティネッリにちなんで名付けられました。

剣竜類や鎧竜類、ヤマアラシを組み合わせたような外観を持つ竜脚形類。

剣竜類や鎧竜類、ヤマアラシを組み合わせたような外観を持つ竜脚形類。

全身を覆う防御のスペシャリスト

アグスティニアの最大の特徴は、全身を覆う重武装にあります。
皮膚は「皮骨」と呼ばれる硬い骨の塊で覆われ、まるで鎧竜のように強固な装甲を備えていました。

さらに、背中には最長75cmにも達する棒状の太い突起が2列に並んでおり、体の側面を保護していました。
これらの突起は、大型の肉食恐竜から身を守るための武器として使われていたと考えられています。
また、首から尾にかけても同様の太い突起で守られていた可能性も指摘されており、この説が正しければ、竜脚形類としては極めて珍しい姿をしていたことになります。

首から尾にかけて太い突起で守られていた可能性がある

首から尾にかけて太い突起で守られていた可能性がある

謎多き進化と断片的な化石

現在、アグスティニアの化石は部分的にしか発見されておらず、その全体像は未だ多くの謎に包まれています。

当初は、発見された断片的な化石から、ティタノサウルスの仲間だと考えられていました。
しかし、化石にディプロドクスを思わせる特徴が見つかったことから、現在では両者の特徴を受け継いで進化した独立した種として分類されています。

今後、新たな化石が発見されれば、アグスティニアの全貌が明らかになり、現在考えられている以上に奇妙で個性的な姿をしていたことがわかるかもしれません。
このユニークな防御システムを持った竜脚形類が、白亜紀の南アメリカでどのように生きていたのか、今後の研究に期待が高まります。

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