ビロノサウルス Byronosaurus

名前の由来

ビロン・ジャフェ(発掘協力者の人名)のトカゲ

科名

トロオドン科

分類

双弓亜綱、竜盤類、獣脚類

生息地(発見地)

モンゴル

時代

白亜紀後期

全長

約1.5m

体重

約4〜5kg

食性

肉食

解説

肉食恐竜といえば「ナイフのようなギザギザの歯」を想像しますが、その常識に当てはまらない小型恐竜がモンゴルにいました。
「ビロノサウルス」です。

白亜紀後期のゴビ砂漠に生息していたこのトロオドン類は、非常に保存状態の良い頭骨が見つかっており、鳥類への進化を解き明かす重要な鍵とされています。

猟犬のような顔と「針」のような歯

ビロノサウルスの最大の特徴は、同じトロオドン類の恐竜たちとは一線を画すユニークな頭部構造にあります。

なぜ「ギザギザ」がないのか?

一般的なトロオドン類の歯は太く、縁に肉を切り裂くための鋸歯(きょし=ギザギザ)があります。
しかし、ビロノサウルスの歯は小さく細い針のような形状をしており、ギザギザが一切ありませんでした。
これは肉食恐竜としては非常に珍しい特徴です。

眼を守る長い鼻先

また、鼻先が猟犬のように長く伸びていました。
この長い鼻先は、捕らえた獲物が暴れた際、反撃から自分の眼を遠ざけて保護する役割を果たしていたと考えられています。

体重4kgの華奢なハンターは何を食べていた?

彼らの体は非常に軽量でした。
全長は約1.5mありますが、立ったときの体高は43〜50cmほど。
体重に至ってはわずか4〜5kgしかありませんでした。

狙うは「柔らかい」小動物

この華奢な体格と、肉を切り裂くには不向きな「貧弱な歯」から、彼らが大型の獲物を襲うことはなかったでしょう。
推測される主な獲物は、あまり体の硬くない小動物たちです。

  • 小型の鳥類・哺乳類
  • トカゲ・カエル
  • 昆虫

針のような歯は、こうしたすばしっこい小物を逃さないように捕らえることに特化していたのです。

最高レベルの保存状態!化石が語る「鳥」との類似性

ビロノサウルスは、その化石の質の高さでも古生物学者を驚かせました。

トロオドン類で最も美しい頭骨

最初の化石は1993年に、続いて1996年にもゴビ砂漠で発見されました。
これまでに2つの頭骨を含む成体の化石が見つかっていますが、そのうちの一つ(長さ約23cm)は、これまで発見されたトロオドン類の中で最も保存状態が良い頭骨として知られています。

この標本の詳細な研究により、ビロノサウルスと鳥類の間に多くの類似点があることが判明しました。
彼らは小型恐竜から鳥へと移り変わる進化の過程を、鮮明な化石として現代に伝えているのです。

名前の由来

ちなみに学名の「ビロノサウルス」は、発掘調査の協力者であるビロン・ジャフェ氏の名前にちなんで命名されました。

この恐竜を見た人は
こんな恐竜も見ています
ティラノサウルス