ジンシャノサウルス Jingshanosaurus

名前の由来

金門(地名:ジンシャン)のトカゲ

科名

マッソスポンディルス科

分類

双弓亜綱、竜盤類、竜脚形類、古竜脚類

生息地(発見地)

中国

時代

ジュラ紀前期

全長

約7.5m

体重

約2トン

食性

植物食

解説

恐竜時代の初期、後に現れるブラキオサウルスなどの巨大な「竜脚類」の祖先にあたるグループが繁栄していました。
それらは「古竜脚類(プロサウロポダ)」と呼ばれています。

彼らの多くはやがて巨大な子孫たちに取って代わられていきましたが、その中で最も遅い時代まで生き残った“最後の生き残り”の一つとされる恐竜がいます。
それが、中国で発見された「ジンシャノサウルス」です。

「金門のトカゲ」:ほぼ完全な骨格の発見

名前の由来

ジンシャノサウルスの化石は、中国・雲南省の「金門(ジンシャン)」という場所で発見されました。
この地名にちなんで、1995年に「金門のトカゲ」を意味するジンシャノサウルスと名付けられました。

進化を語る完全な化石

特筆すべきは、頭部を含むほぼ完全な全身骨格が発見されていることです。
通常、恐竜化石は断片的なことが多いですが、この保存状態の良い標本のおかげで、彼らの姿や進化の過程について多くの貴重な情報が得られました。

古竜脚類から竜脚類へ:進化を示す体の特徴

ジンシャノサウルスの体には、「古い特徴(古竜脚類)」と「新しい特徴(竜脚類)」が入り混じっています。

体型

首は長く、体を支える後肢は太く重々しい、がっしりとした作りでした。

前肢の親指には、後の竜脚類に見られる特徴的な「大きな爪」が備わっていました。

分類上は、同じく中国のユンナノサウルスに最も近く、かつては同類に含まれていたこともあります。
彼らはまさに、古竜脚類から巨大な竜脚類へと移り変わる進化の過渡期(ミッシングリンク)を生きた恐竜なのです。

「のみ状の歯」と軟体動物を食べるグルメ説

ブラキオサウルスに似た歯

最も興味深い特徴の一つが「歯」です。
一般的な古竜脚類の歯は、粗い突起が並んだ「木の葉形」が典型的です。
しかし、ジンシャノサウルスの歯はそれとは異なり、「のみ」のような形をしており、それが顎に密に生えていました。
この「のみ状の歯」は、後の時代のブラキオサウルスなど一部の竜脚類に見られる特徴であり、彼らが竜脚類に近い進化段階にあったことを裏付けています。

意外な食性の可能性

基本的には、他の近縁種と同様に木の葉や枝を食べる植物食恐竜だったと考えられています。
しかし、この恐竜を研究・記載した学者は、非常にユニークな可能性を指摘しています。
それは、彼らが植物だけでなく「軟体動物(貝やカタツムリの仲間など)」を食べていたかもしれないという説です。

もしこれが事実であれば、彼らは単なる草食恐竜の枠を超えた、意外なグルメ(雑食傾向)だったのかもしれません。
古竜脚類の黄昏時を生きたジンシャノサウルスの化石は、次世代の巨人たちへの架け橋としての物語を今に伝えています。

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