恐竜は絶滅したのか?
有力視されてきた 「隕石衝突説」
恐竜がなぜ滅んだか。
その原因に関しては、これまで科学者の間で火山爆発説、地殻変動説等、さまざまな説が論議されてきました。
宇宙人が母星の動物園に連れ帰ったなどという荒唐無稽なものまで含めれば、一般に流布した説は100を超えるほどあります。
なかでも現在最も有力視されているのは、約6500万年前、地球に直径10kmクラスの巨大隕石が衝突し、その影響により気候などの環境が変化して恐竜を絶滅に追い込んだという「隕石衝突説」です。
特に、メキシコのユカタン半島で隕石落下跡と思われる巨大クレーターが発見されて以来、隕石衝突説は定説となるかに思われました。
恐竜は徐々に減少していった?
しかし、その後、白亜紀の終末期に向かって徐々に恐竜の多様性が減少する一方、小型ながらも哺乳類の多様性が増大していたと考える説も登場しました。
実証主義的な研究成果が認められ、広く受け入れられています。
さらに、ユカタン半島のクレーターも恐竜などの大量絶滅より約30万年ほど古く、直接の証拠ではないとする研究結果も出されています。
ところが、2004年になって、隕石衝突後の数週間で絶滅したとみなす新説も発表され、再び隕石衝突説が浮上しました。
絶滅が突然なのか、ゆっくりと徐々に進行していったのかについては、今後も論議が続くとみてよいでしょう。
恐竜は鳥として生き続けている
ここでくれぐれも忘れてはならないのは、本当にすべての恐竜が絶滅したわけではないことです。
1990年代後半以来の相次ぐ羽毛恐竜発見により、遅くともジュラ紀後期までには恐竜の一系統は鳥へと進化し、新たな環境「空」へと生活の場を広めていったと誰しも考えざるを得なくなりました。
その後も新たな発見があるたびに恐竜と鳥の境界線が薄れていき、今や「恐竜は、鳥として現在も生き続けている」と結論するのがふさわしい時代を迎えたといえます。
現生鳥類は約1万種を数え、哺乳類の実に2倍以上の勢力を誇っています。
恐竜の時代は、空をその主な舞台としてまだまだ続いていたのです。