ドレッドノータス Dreadnoughtus
名前の由来
ラテン語で「恐れ知らず」を意味する
分類
双弓亜綱、竜盤類、竜脚形類
生息地(発見地)
アルゼンチン
時代
約7600万~7000万年前(白亜紀後期)
全長
約26m
体重
約20~40トン
食性
植物食
Jurassic
Park / World シリーズ登場恐竜
ジュラシック・ワールド における活躍
『ジュラシック・ワールド』において、ドレッドノータスの登場シーンは、パークの施設内にあるホロスコープ(ホログラム・ディスプレイ)のリストに、その名前のみが登場する形に留まっています。






























解説
ドレッドノータスは、白亜紀後期(約7600万~7000万年前)にアルゼンチンに生息していたティタノサウルス類の竜脚形類です。
2014年に新種として命名されたこの恐竜は、大きさが推定できる陸上植物食動物の中で最大級とされ、その発見は巨大恐竜の解剖学的な知見を深める上で、非常に重要なものとなりました。
発見と命名:「恐れ知らず」の由来
ドレッドノータスの化石は、2005年にアルゼンチンのサンタクルス州にあるセロ・フォルタレーサ累層で発見されました。
4年がかりで2体分の骨格が発掘された後、2014年に新種としてドレッドノータス・シュラニと命名されました。
属名
ラテン語で「恐れ知らず」を意味します。
これは、その巨体から弩級戦艦(ドレッドノート)を彷彿とさせたことや、実際に発掘地の近くでドレッドノートを製造した会社があったことに由来します。
種小名
発掘プロジェクトに出資したアメリカの実業家アダム・シュラン氏に敬意を表してつけられました。
驚異のサイズと身体的特徴
ドレッドノータスは、ティタノサウルス類の中でも派生的なグループであるリトストロティアに分類されています。
骨格の既知の部分の測定値に基づき、唯一の既知の個体は全長約26mと推定されています。
体重
体重は発見当初65トンと見積もられましたが、近年の研究では20~40トン程だったとする説が濃厚です。
骨格の特徴
肩甲骨
1.74mで、他の既知のティタノサウルス類の肩甲骨よりも長い。
腸骨
長さは1.31mで、他のどの恐竜のそれよりも大きい。
上腕骨
以前に知られていたティタノサウルス類のものよりも長く、より軽い構造をしていました(ただし、ブラキオサウルスのものよりは小さい)。
体型
四肢はほぼ同じ長さで、水平に近い体型だったとされています。
四肢はほぼ同じ長さで、水平に近い体型だったとされている。
尾の長さは8.7m、体高は6mほどとされます。
首
首から上の化石は部分的な上顎骨と頸椎2個しか見つかっていませんが、近縁種に比べると比較的首が長めだったらしく、首を持ち上げた場合は体高12.2mに達したと推測されます。
最大の発見:その「完全性」
ドレッドノータスの発見がこれほど重要視される最大の理由は、発掘された骨格の「完全性」にあります。
驚異の保存状態
ドレッドノータスは他の大型竜脚形類と比べて骨格の完全性が高く、頭骨を除いた142種類の骨のうち70.4%(100種類)が見つかっており、大型ティタノサウルス類としては最良とされています。
信憑性の高いサイズ
アルゼンチノサウルス(全骨格の5%)やプエルタサウルスといった、より巨大な推定値を持つ竜脚形類は、発見された化石が非常に断片的です。
それに対し、ドレッドノータスは骨格の完全性の高さから、そのサイズの信憑性が非常に高いと言えます。
成長の可能性
さらに、この個体はまだ成長途中であり、成体は更に大きくなった可能性があると考えられています。
ドレッドノータスの骨は保存状態が極めて良好で(変形や風化が少ない)、特に上腕骨は細部が観察可能です。
筋肉の付着部などが非常によく確認できるため、大型ティタノサウルス類の大きさと解剖学についての知見を深める非常に重要な標本となっています。
生態と共存した恐竜
ドレッドノータスが生息していたセロ・フォルタレーサ累層は、白亜紀末でもアルゼンチンが大型竜脚形類の多様性に富んでいたことを示しています。
共存した恐竜
当時、同じ地域にはプエルタサウルスのような他の大型ティタノサウルス類も共存していました。
捕食者との関係
肉食恐竜としては、メガラプトル科のオルコラプトル(全長5〜6m)がおり、発見されたドレッドノータスの化石にはオルコラプトルのものと思われる歯の化石も混じっていました。
しかし、オルコラプトルは20m以上に成長したドレッドノータスの敵ではなかったと思われ、単に死骸を漁った際に抜けたものである可能性が高いです。