恐竜の種類

頭を飾った恐竜たち「周飾頭類」:角とフリルに隠された進化の秘密

頭を飾った恐竜たち「周飾頭類」:角とフリルに隠された進化の秘密

周飾頭類は、鳥盤類に属する恐竜のグループで、「頭の周りが飾り付けられた仲間」という意味を持ちます。
その名の通り、頭の後ろが襟飾りのように張り出し、その周りや顔に角やこぶが並んでいる点が最大の特徴です。
このグループは、後に大繁栄を遂げる角竜類と、堅頭竜類を含んでいます。

特徴と分類:頭の装飾が鍵

周飾頭類はすべて草食性で、頭部の特異な装飾が共通しています。
頬に突起があり、骨盤の一部が他の鳥盤類と異なる形状をしていることも特徴です。
このグループは、主に以下の2つで構成されています。

角竜類:角とフリルの防御スペシャリスト

特徴

トリケラトプスに代表され、顔や鼻に突起を持ち、後頭部にはフリル状の構造が大きく張り出しているグループです。

顔や鼻に突起を持ち、後頭部にはフリル状の構造が大きく張り出している。

顔や鼻に突起を持ち、後頭部にはフリル状の構造が大きく張り出している。

近年、多くの新種が発見されており、思っていた以上にさまざまな頭骨の飾りをもつ進化を遂げていたことが分かっています。

堅頭竜類:ドーム状の頭骨を持つグループ

特徴

パキケファロサウルスに代表され、分厚いドーム状の頭骨を持つグループです。

分厚いドーム状の頭骨を持っている

分厚いドーム状の頭骨を持っている

この骨の塊は、肉食恐竜からの防御や、仲間同士のディスプレイに使われたと考えられています。

進化と繁栄の歴史

周飾頭類の最古の種はジュラ紀後期には既に出現していましたが、当時はまだ目立つ存在ではありませんでした。

初期の特徴と勢力の拡大

初期の堅頭竜と角竜の一部は主に二足歩行で歩いていましたが、角竜の多くは後に四足歩行へと移行しました。
食性は植物食が主でしたが、一部の種が植物食傾向の強い雑食であったとする研究もあります。

彼らは白亜紀前期に次第に勢力を拡大し、特に白亜紀後期になると、北半球(ローラシア大陸)で大いに栄えることになりました。
特に北アメリカの角竜は、体が大きくなり、様々な形の角と襟飾りを発達させ、多様性を増しました。

南半球の謎

一方で、南半球(ゴンドワナ大陸)では化石証拠に乏しく、その生息の様子はほとんどわかっていません。

周飾頭類は、その派手な頭の飾りが武器やディスプレイとして機能し、白亜紀後期の北半球で大いに繁栄した恐竜グループなのです。

恐竜コラム 恐竜コラム