アクロカントサウルス Acrocanthosaurus

名前の由来

高い隆起を持つトカゲ

科名

アロサウルス科

分類

双弓亜綱、竜盤類、獣脚類

生息地(発見地)

アメリカ

時代

1億2500万~1億1200万年前(白亜紀前期~白亜紀中期)

全長

約12m

体重

約6トン

食性

肉食

解説

アクロカントサウルスは、白亜紀の前期から中期にかけて、現在のアメリカ南西部の地域(オクラホマ州やテキサス州)に生息していた大型肉食恐竜です。
その全長はおよそ12m、体重は6トン以上にも及び、後に同じ大地を支配するティラノサウルスとほぼ同じ大きさを誇っていました。
彼は、当時の環境における最強の肉食恐竜の一角であったと考えられています。

異色の身体的特徴と骨の秘密

アクロカントサウルスは、その学名の由来が「高い隆起を持つトカゲ」である通り、非常にユニークな外見と身体能力を持っていました。

背中の謎の突起と役割

この恐竜の最大の特徴は、背骨の一部が隆起している点で、生きていた頃は最大60cmにも及ぶトゲ状の突起が首から背中まで並んでいました。

トゲ状の突起が首から背中まで並んでいた

トゲ状の突起が首から背中まで並んでいた

これはスピノサウルスの帆を連想させますが、立派な帆ではなく、肉質の膜で覆われたか、あるいはラクダのように盛り上がった筋肉のかたまりだったのではないかと推測されています。
この突起には、体温調節やメスの気を惹くディスプレイなどの役割があったと考えられていますが、正確な役割は未だに分かっていません。

強靭な前肢とサメの歯

アクロカントサウルスは、顔や体格はややほっそりとしており、ティラノサウルスのようなパワータイプではありませんでしたが、その歯と前肢は非常に強力でした。

鋭い歯と強力な顎を持っていましたが、歯が折れやすかったため、現在のサメと同じように折れても新しい歯がすぐに生えてくる構造になっており、獲物を仕留める上で機能的な問題はなかったと考えられます。

鋭い歯と強力な顎を持っていた

鋭い歯と強力な顎を持っていた

前肢

他の大型の肉食恐竜と比較すると手や腕ががっしりとしており、指についたかぎ爪は獲物を捕えるには十分なものでした。

狩りの能力

アクロカントサウルスは、後のティラノサウルスのような「一撃必殺」のパワーに頼るのではなく、機動力と俊敏性を活かした狩りを行っていました。

俊足

足跡の調査から、最高時速40km程度で走れたことが分かっています。
これは大型恐竜としては非常に高い身体能力です。

最高時速40km程度で走ることができた

最高時速40km程度で走ることができた

狩りのスタイル

俊敏性を活かして獲物を追い詰める、俊足のハンターだったと考えられています。

化石の質

状態の良い化石が4体発見されたことに加え、多くの足跡が発見されました。
足跡からは、捕食の際の動きが推測できるなど、研究が大きく進展しました。

アクロカントサウルスは、その特異な外見と高い身体能力で、白亜紀前期の北米大陸の生態系を支配したのです。

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