ケラトサウルス Ceratosaurus
名前の由来
角をもつトカゲ
科名
ケラトサウルス科
分類
双弓亜綱、竜盤類、獣脚類
生息地(発見地)
アメリカ
時代
約1億5300万~1億4800万年前(ジュラ紀後期)
全長
約4.5〜6m
体重
約500kg〜1トン
食性
肉食
名前の由来
角をもつトカゲ
科名
ケラトサウルス科
分類
双弓亜綱、竜盤類、獣脚類
生息地(発見地)
アメリカ
時代
約1億5300万~1億4800万年前(ジュラ紀後期)
全長
約4.5〜6m
体重
約500kg〜1トン
食性
肉食
解説
ケラトサウルスは、ジュラ紀後期の北アメリカに生息していた中型の獣脚類です。
その名は「角をもつトカゲ」を意味し、その名の通り、頭部に3つの角を持っていたことが最大の特徴です。
かつてはアロサウルスと同一種だと考えられていましたが、異なる点が注目され、独立した属となりました。
化石はアメリカのユタ州やコロラド州のほか、アフリカのタンザニアでも発見されています。
異色の身体的特徴と狩りの能力
ケラトサウルスは、体長約4.5m〜6mの肉食恐竜で、当時の北アメリカではアロサウルスなどの巨大な捕食者が多数いたため、むしろ最小の部類に属していました。
しかし、ジュラ紀の終盤まで生き残れたのは、その特異な身体的特徴と優れた捕食能力によるものだと考えられています。
頭部に備わった3つの角は、両目の上と鼻の上にそれぞれありました。
3つの角は両目の上と鼻の上にそれぞれあった
特に鼻の上の角は長さ13cmに及ぶホームベース状で、生前には血管が通っていたと推定されています。
この角の役割は、戦いの際に頭部を保護する説と、メスを惹きつけるためのディスプレイだったとする説の両方があります。
口には肉食恐竜らしい薄く鋭い歯が並び、肉を切り裂く能力に優れていました。
これらの特徴から、ケラトサウルスは中枢捕食者(キーストーン捕食者)としての役割を十分に果たせる能力を持っていたとされています。
謎の骨板と独自の進化
ケラトサウルスは、獣脚類としては非常に珍しく、首から背中にかけて、小さな突起(ギザギザの骨棘)が不規則に並んでいました。
首から背中にかけて小さな突起が不規則に並んでいた
このような背面に骨板を持つ獣脚類はケラトサウルスの仲間にのみ確認される形状で、これは彼がどのように進化を遂げたのかを考える上で、重要な手がかりとなっています。
アロサウルスとの共存と狩りの戦略
ケラトサウルスが生きたジュラ紀後期の北米には、より大型で強力な捕食者であるアロサウルスも生息していました。
研究者たちは、両者が異なる獲物を狙うことで競争を避ける「ニッチの分割(棲み分け)」を行っていたと考えています。
体が大きく頑丈なアロサウルスが、大型の獲物を専門に狩っていたのに対し、より小柄で俊敏だったケラトサウルスは、小型の鳥脚類や、川や湖に生息する魚類、ワニなどを主な獲物にしていた可能性があります。
水辺のハンター説をめぐる論争
ロバート・バッカーという古生物学者は、ケラトサウルスは泳ぐことができたという説を提唱しました。
縦幅のある柔軟な尾は水中での推進力を得るのに役立ったと考え、実際に肺魚の化石と同じ場所から、大量のケラトサウルスの歯がみつかっていることを根拠に挙げています。
しかし、この説には異論も多く、ケラトサウルスの体型は泳ぎに向いていないことが判明しているため、今後の研究が必要とされています。
知名度の割に全身骨格は1体分しか見つかっておらず、これは彼らがトラのような単独生活者だったことを示唆しています。
ケラトサウルスは、独自の武器と防御システム、そしてしたたかな生存戦略でジュラ紀を生き抜いた、まさに異色の存在だったのです。