マシアカサウルス Masiakasaurus 名前の由来 悪意のあるトカゲ科名 ノアサウルス科分類 双弓亜綱、竜盤類、獣脚類生息地(発見地) マダガスカル時代 約7000万〜6500万年前(白亜紀後期)全長 約2m体重 約36kg食性 肉食解説独自の生態系を持つ島、マダガスカル。 白亜紀後期のこの島には、進化の実験場と呼ぶにふさわしい奇妙な恐竜が生息していました。 「マシアカサウルス」です。口から前方に突き出した「出っ歯」のような歯並びと、有名ロックバンドに由来する学名を持つこの小型肉食恐竜は、2001年の記載以来、強烈なインパクトを与え続けています。驚愕の「出っ歯」!前に突き出した歯の謎マシアカサウルスの最大の特徴にして、他の獣脚類(肉食恐竜)には見られない奇妙な点がその「口元」です。水平に近い角度で生える歯下顎の先端を見てみると、驚くべきことに歯が「前(外側)」に向かって突き出していました。歯が「前(外側)」に向かって突き出していた通常、肉食恐竜の歯は垂直か内向きですが、彼らの最前列の歯(特に一番前)は、水平からわずか10度上向きという、ほぼ真横に近い角度で生えていました。突き刺すことに特化口先自体も下方に湾曲しており(八の字反り)、これらの構造は「肉を切り裂く」ことよりも、獲物を「突き刺して捕らえる」ことに特化していたことを示しています。 一見すると不格好な「出っ歯」に見えますが、特定の獲物を捕らえるために進化した機能的な武器だったのです。魚食か雑食か?奇妙な歯の役割この特殊な歯を使って、彼らは何を食べていたのでしょうか。魚食説(有力)前向きの歯は、現生の鵜(う)や翼竜、首長竜などの魚食性動物によく見られる特徴です。 そのため、歯を籠(かご)やフォークのように使い、素早く動く魚を捕らえていた説が有力です。雑食説近縁種に植物食や雑食がいることから、魚だけでなく昆虫、トカゲ、果実などを食べる雑食性だったという説もあります。全長約2mの華奢な体格だった彼らは、大型の獲物を襲うハンターではなく、手頃なサイズの獲物を器用に捕まえるマダガスカルの住人だったようです。「悪意あるトカゲ」とロックバンドの意外な関係マシアカサウルスには、その見た目と発見の経緯に由来する2つの意味が込められています。名前は「悪意ある」属名の「マシアカ(Masiaka)」は、マダガスカル語で「悪意のある」「意地悪な」を意味します。 直訳すると「悪意のあるトカゲ」。 凶悪でグロテスクにも見えるその歯の形状が、この不名誉な名前の由来となりました。種小名は「ダイアー・ストレイツ」一方で、正式な学名「マシアカサウルス・ノップレリ」の種小名は、イギリスの伝説的ロックバンド「ダイアー・ストレイツ」のリーダー、マーク・ノップラー氏にちなんでいます。 発掘チームが作業中に彼らの曲を聴いていた際、なぜかその時に限って化石が見つかることが多かったため、その幸運と功績を称えてロックな名前が刻まれることになりました。ゴンドワナ大陸の絆:南米との繋がりマシアカサウルスの発見は、大陸移動の歴史を証明する重要な証拠でもあります。彼らはアベリサウルス類の中の「ノアサウルス科」に分類されますが、それまでこのグループの小型種は南米でしか見つかっていませんでした。 遠く離れたマダガスカルで発見されたことにより、かつて南米とマダガスカルが巨大な「ゴンドワナ大陸」として繋がっていた時代に、すでにこのグループが広く分布していたことが証明されたのです。 PREV マジュンガサウルス マイプ NEXT この恐竜を見た人はこんな恐竜も見ています マジュンガサウルス Majungasaurus 分類獣脚類 特徴肉食恐竜 時代白亜紀 ステゴサウルス Stegosaurus 分類装盾類 特徴草食恐竜 時代ジュラ紀 ケルベロサウルス Kerberosaurus 分類鳥脚類 特徴草食恐竜 時代白亜紀 プエルタサウルス Puertasaurus 分類竜脚形類 特徴草食恐竜 時代白亜紀 スポンサーリンク スポンサーリンク
解説
独自の生態系を持つ島、マダガスカル。
白亜紀後期のこの島には、進化の実験場と呼ぶにふさわしい奇妙な恐竜が生息していました。
「マシアカサウルス」です。
口から前方に突き出した「出っ歯」のような歯並びと、有名ロックバンドに由来する学名を持つこの小型肉食恐竜は、2001年の記載以来、強烈なインパクトを与え続けています。
驚愕の「出っ歯」!前に突き出した歯の謎
マシアカサウルスの最大の特徴にして、他の獣脚類(肉食恐竜)には見られない奇妙な点がその「口元」です。
水平に近い角度で生える歯
下顎の先端を見てみると、驚くべきことに歯が「前(外側)」に向かって突き出していました。
歯が「前(外側)」に向かって突き出していた
通常、肉食恐竜の歯は垂直か内向きですが、彼らの最前列の歯(特に一番前)は、水平からわずか10度上向きという、ほぼ真横に近い角度で生えていました。
突き刺すことに特化
口先自体も下方に湾曲しており(八の字反り)、これらの構造は「肉を切り裂く」ことよりも、獲物を「突き刺して捕らえる」ことに特化していたことを示しています。
一見すると不格好な「出っ歯」に見えますが、特定の獲物を捕らえるために進化した機能的な武器だったのです。
魚食か雑食か?奇妙な歯の役割
この特殊な歯を使って、彼らは何を食べていたのでしょうか。
魚食説(有力)
前向きの歯は、現生の鵜(う)や翼竜、首長竜などの魚食性動物によく見られる特徴です。
そのため、歯を籠(かご)やフォークのように使い、素早く動く魚を捕らえていた説が有力です。
雑食説
近縁種に植物食や雑食がいることから、魚だけでなく昆虫、トカゲ、果実などを食べる雑食性だったという説もあります。
全長約2mの華奢な体格だった彼らは、大型の獲物を襲うハンターではなく、手頃なサイズの獲物を器用に捕まえるマダガスカルの住人だったようです。
「悪意あるトカゲ」とロックバンドの意外な関係
マシアカサウルスには、その見た目と発見の経緯に由来する2つの意味が込められています。
名前は「悪意ある」
属名の「マシアカ(Masiaka)」は、マダガスカル語で「悪意のある」「意地悪な」を意味します。
直訳すると「悪意のあるトカゲ」。
凶悪でグロテスクにも見えるその歯の形状が、この不名誉な名前の由来となりました。
種小名は「ダイアー・ストレイツ」
一方で、正式な学名「マシアカサウルス・ノップレリ」の種小名は、イギリスの伝説的ロックバンド「ダイアー・ストレイツ」のリーダー、マーク・ノップラー氏にちなんでいます。
発掘チームが作業中に彼らの曲を聴いていた際、なぜかその時に限って化石が見つかることが多かったため、その幸運と功績を称えてロックな名前が刻まれることになりました。
ゴンドワナ大陸の絆:南米との繋がり
マシアカサウルスの発見は、大陸移動の歴史を証明する重要な証拠でもあります。
彼らはアベリサウルス類の中の「ノアサウルス科」に分類されますが、それまでこのグループの小型種は南米でしか見つかっていませんでした。
遠く離れたマダガスカルで発見されたことにより、かつて南米とマダガスカルが巨大な「ゴンドワナ大陸」として繋がっていた時代に、すでにこのグループが広く分布していたことが証明されたのです。