マッソスポンディルス Massospondylus

名前の由来

長い背骨

科名

マッソスポンディルス科

分類

双弓亜綱、竜盤類、竜脚形類

生息地(発見地)

南アフリカ、レソト、ジンバブエ

時代

約2億〜1億8300万年前(ジュラ紀前期)

全長

約4m

体重

約1トン

食性

植物食

解説

マッソスポンディルスは、恐竜時代の初期にあたるジュラ紀前期に、アフリカ南部で繁栄した古竜脚類です。

後の時代に現れるブラキオサウルスなどの巨大竜脚形類の「プロトタイプ」とも言える存在ですが、彼らはスマートな体型で二本足歩行をしていました。
1854年に記載されたこの恐竜は、研究の歴史が非常に古いことでも知られています。

「長い背骨」を持つスマートな恐竜

マッソスポンディルスという学名は、古代ギリシャ語で「長い背骨」を意味しています。
その名の通り、彼らは非常に長い首と尾を持っていました。

非常に長い首と尾を持っていた

非常に長い首と尾を持っていた

生息地とサイズ

化石は主に南アフリカ、レソト、ジンバブエなど、アフリカ大陸南部で発見されており、ジュラ紀前期に広く分布していました。
全長は約4m、体重は約1トン。
「竜脚形類の親戚」としては比較的コンパクトなサイズです。
後の巨大竜脚形類のような超重量級ではなく、胴体は細長く、筋肉質でありながらも身軽な体つきをしていました。

二足歩行と四足姿勢の使い分け

マッソスポンディルスの最大の特徴は、その「歩き方」にあります。

基本は「二足歩行」

彼らの四肢は、後肢に比べて前肢が明らかに短い構造をしています。
そのため、アパトサウルスのように四つん這いで歩くのは骨格的に困難であり、移動時は長い後肢だけでバランスを取る「二足歩行」をしていました。

移動時は「二足歩行」をしていた

移動時は「二足歩行」をしていた

休息時は「四足」

ただし、完全に前肢を浮かせていたわけではありません。
休息時や食事で立ち止まる際などは、前肢をついて四足の姿勢になっていた可能性が高いとされています。

休息時や食事の際は四足の姿勢になっていた可能性が高い

休息時や食事の際は四足の姿勢になっていた可能性が高い

彼らは状況に応じて姿勢を変える柔軟性を持っていました。

歩くためではない「手」と巨大なカギ爪

二足歩行をする彼らにとって、前肢は移動手段ではなく機能的な「手」でした。
特に親指には、歩行には不向きな「大きなカギ爪」が備わっていました。

武器として

肉食恐竜などの天敵や、同種間の争いにおいて、爪を振りかざして身を守っていたと推測されます。

道具として

高い枝をたぐり寄せたり、木の皮を剥いだり、土を掘ったりするための道具としても重宝されていました。

植物食か、それとも雑食か?

マッソスポンディルスは基本的には植物食恐竜です。
顎の前方の歯は丸く、奥の歯は扁平な形をしており、植物を噛み切ってすり潰すのに適していました。

しかし、完全なベジタリアンだったかは議論の余地があります。
機会があれば小動物を捕らえたり、死肉を食べたりする「雑食的な面」も持っていた可能性が指摘されています。

1854年記載!リチャード・オーウェンと研究の歴史

この恐竜は、「恐竜(Dinosauria)」という言葉の生みの親である著名な古生物学者リチャード・オーウェンによって命名され、1854年に記載されました。
恐竜研究の中でも非常に古株の存在です。

7種から「最後の1種」へ

保存されにくい頭骨がほぼ完全な状態で見つかるなど、貴重な研究資料となっています。
長い研究史の中で、かつては最大7種ものマッソスポンディルスが存在するとされていましたが、詳細な研究による整理が進み、現在は有効な種はたった1種に統合されています。

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