プテロダクティルス Pterodactylus

名前の由来

翼のある指

科名

プテロダクティルス科

分類

爬虫綱、翼竜目

生息地(発見地)

ドイツ、フランス、イギリス、タンザニア

時代

1億5000万~1億4400万年前(ジュラ紀後期)

全長

約1m

体重

約1〜5kg

食性

肉食

解説

プテロダクティルスは、ジュラ紀後期に出現した、最も有名な翼竜です。
その名は「翼のある指」を意味し、その名の通り、非常に長い第4指で翼膜を支えるユニークな身体構造を持っていました。

長い第4指で翼膜を支えるユニークな身体構造を持っていた

長い第4指で翼膜を支えるユニークな身体構造を持っていた

世界で初めて発見された翼竜の一つであり、その化石は1700年代後半に見つかっています。

数奇な歴史と科学の進歩

最初に発見された頃、プテロダクティルスはコウモリの一種だと誤解されていました。
しかし、翼がたった1本の指で支えられていることが判明し、コウモリとは異なる翼竜であることが明らかになりました。

19世紀に入ると、ヨーロッパで次々と標本が発掘され、その名は一躍有名になりました。
ところが、当時の古生物学界には、似たような化石を安易にプテロダクティルスに分類する悪しき風習がありました。
その結果、多くの翼竜や、時には翼竜ですらない生物にまでその名が付けられるという混乱が生じました。
現在では科学の進歩によって種の整理が進み、この混乱は解消されています。

飛行能力と驚きの身体的特徴

プテロダクティルスは、ヒバリやハト程度の大きさで、翼竜の中では小さい部類に属します。
骨格に空洞が多く、非常に軽かったことから、自力での飛行が可能でした。
コウモリのように操縦性の高い飛行動物だったと考えられています。

コウモリのように操縦性の高い飛行動物だったと考えられている

コウモリのように操縦性の高い飛行動物だったと考えられている

以前の翼竜に比べて、長い翼と首、そして短い尾を持つことが特徴です。
体は毛のような繊維に覆われており、首の後ろにはたてがみもありました。
これらの特徴から、彼らは体温を自分で調節できる内温性の動物だったと推測されています。

食性と生活サイクル

プテロダクティルスは、海辺や浅瀬に生息し、主に小魚や昆虫を食べていました。
長いあごの前方には、滑りやすい魚を捕まえるのに適した鋭い歯が並び、口先には鳥のようにケラチン質のくちばしがありました。
また、後肢に水かきがあったという説もあり、海辺や浅瀬を歩いて獲物を探すこともあったようです。

海辺や浅瀬を歩いて獲物を探すこともあった

海辺や浅瀬を歩いて獲物を探すこともあった

1990年代に見つかった化石から、彼らは後肢だけでなく、翼をたたんだ前肢も使って体を支えていたことが判明しました。
これらの特徴から、プテロダクティルスは現在の鳥類に近い生活を送っていたと考えられています。
その驚異的な適応力とユニークな身体構造が、彼らが白亜紀後期まで繁栄を続けることができた理由の一つだったのかもしれません。

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