スタウリコサウルス Staurikosaurus

名前の由来

南十字星のトカゲ

科名

スタウリコサウルス科

分類

双弓亜綱、竜盤類、獣脚類

生息地(発見地)

ブラジル

時代

約2億2500万年前(三畳紀中期)

全長

約2m

体重

約15〜20kg

食性

肉食

解説

ブラジルの夜空に輝く代表的な星座、南十字星(サザンクロス)。
恐竜時代の幕開けである中生代三畳紀(約2億2500万年前)の地層から、この美しい星座にちなんだ名前を持つ恐竜が発見されています。

「スタウリコサウルス」は、エオラプトルヘレラサウルスと共に「最初期の恐竜」の一つに数えられる小型肉食恐竜です。
彼らは後のティラノサウルスのような巨大な獣脚類とは異なり、非常に原始的かつユニークな身体的特徴を持っていました。

「南十字星のトカゲ」:名前の由来

スタウリコサウルスという学名は、ギリシャ語で「南十字星のトカゲ」という意味を持っています。

もちろん、彼らが星の力を使えたわけではありません。
この名前は、化石の発見地であるブラジルから見える南半球のシンボル「南十字星」にちなんで、発見の記念として名付けられたものです。
この洒落た名前を持つ恐竜は、恐竜時代の黎明期を代表する重要な存在として知られています。

華奢な体と「長い尻尾」のバランス戦略

意外な「最大級」のハンター

体長はおよそ2m弱、推定体重は15〜20kg程度でした。
後世の巨大恐竜に比べれば小柄ですが、恐竜が誕生したばかりの三畳紀においては、これでも最大級の肉食獣の一角を占めていました。

尻尾が長い理由

特筆すべき身体的特徴は、当時の獣脚類にしては珍しい「長い尻尾」です。
発見当初は首の長い草食恐竜(竜脚形類)と勘違いされたほどでした。

なぜこれほど長い尻尾が必要だったのでしょうか。
当時の肉食恐竜はガッシリとした体型で、太く短い尾で体を支えるのが一般的でした。
しかし、スタウリコサウルスは非常に華奢で軽量な体躯をしています。
もし彼らが太い尾を持っていた場合、重心バランスが崩れてその場で尻餅をつき、動けなくなっていたでしょう。
彼らはあえて流行に逆らい、軽い体を支えて素早く動くために「細く長い尻尾」を進化させたのです。

原始的なハンターの運動能力

二足歩行の確立

前肢は後肢の半分ほどの長さしかなく、しっかりとした二足歩行スタイルを確立していました。
恐竜特有の「まっすぐ下に伸びた足」を持っていたため、同時代のワニの祖先などの爬虫類に比べ、はるかに効率的な運動能力を有していました。

スピードと骨盤の秘密

運動能力については、「足が長く速かった」とする説と、「そこまで俊敏ではなかった」とする説があります。
後肢は走るのに適した形でしたが、骨盤(恥骨)の構造が小さく未発達だったため、後のラプトル類のような洗練された敏捷性は持っていなかった可能性があります。
それでも当時としては優れたハンターであり、長い足を活かして獲物を追っていたことは間違いありません。

進化のミッシングリンク:独自の道を歩んだグループ

草食恐竜に似ている?

骨格には、古竜脚類(初期の草食恐竜)に似た部分が見られます。
これは彼らが草食だったわけではなく、「最初の恐竜(共通祖先)」から枝分かれして間もないため、祖先の特徴が色濃く残っている「名残」だと考えられています。

進化の袋小路

分類上はヘレラサウルスに近いとされますが、独自性から「スタウリコサウルス科」とする意見も有力です。
彼らは早い段階で独自の進化を遂げ、子孫を残さずに滅びていった「進化の袋小路」に入ったグループの一つです。
初期メンバーだからといって、必ずしも後世のスター恐竜たちの直接の先祖になれたわけではないのです。

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