プレシオサウルス Plesiosaurus

名前の由来

爬虫類に近い

科名

プレシオサウルス科

分類

爬虫綱、双弓亜綱、鰭竜類

生息地(発見地)

イギリス、フランス、ドイツ

時代

約1億9960万〜1億7560万年前(ジュラ紀前期)

全長

約2〜5m

体重

約90kg

食性

魚食

解説

「首長竜」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのはどのような姿でしょうか?
蛇のように長い首、亀のような胴体、そして4つのヒレ。
そのイメージの原型であり、未確認生物「ネッシー」の正体としても有名な海生爬虫類、それが「プレシオサウルス」です。

中生代ジュラ紀前期のヨーロッパに生息していた彼らは、恐竜時代の海を支配した首長竜の「始祖」とも言える存在です。

伝説の「化石夫人」による発見と名前の由来

プレシオサウルスが歴史に登場したのは19世紀のことです。

メアリー・アニングによる偉業

発見者は、「化石夫人」として伝説的な化石採集者メアリー・アニングでした。
彼女が見つけた化石は、1821年にH・T・デラベシュとウィリアム・D・コニビアによって記載されました。
これは世界で初めて学術的に報告された首長竜であり、古生物学史における記念碑的な出来事です。

「爬虫類に近い」という意味

発見当初、この生物は「魚類と爬虫類の中間」だと推測されました。
しかし、より爬虫類に近い特徴を持っていたため、ギリシャ語で「爬虫類に近い」を意味する「プレシオサウルス」と名付けられました。
現在は主に「プレシオサウルス・ドリコデイルス」という種を指しますが、首長竜全般の通称として使われることもあります。

全長2〜5m!原始的だが完成された骨格

プレシオサウルスの体長は約2mから5m程度。
後のエラスモサウルス(13m以上)に比べると小柄ですが、当時の環境では最大級の水生爬虫類でした。

首と頭

胴体よりも長い首を持ち、その先には鋭い円錐形の歯が並ぶ小さな頭部がついていました。

鋭い円錐形の歯が並ぶ小さな頭部

鋭い円錐形の歯が並ぶ小さな頭部

ガストラリア(腹肋骨)

胴体の骨は網目状になっており、樽のようにがっしりとした体幹を形成していました。

原始的な特徴

「間鎖骨」の存在や、癒合していない左右の肩甲骨など、後の進化した種には見られない原始的な骨格構造を残していました。

機動力重視の泳ぎと独自の狩り

プレシオサウルスは、現代のアシカやウミガメのような4つの「ヒレ」を使って泳いでいました。

4つのヒレを使って泳いでいた

4つのヒレを使って泳いでいた

パドルのようなヒレで泳ぐ

ヒレは関節が上下左右に動く構造になっており、カヌーのパドルのように使うことで、素早い方向転換が可能でした。
魚竜のように尾を振って泳ぐことはなく、スピードよりも「高い機動性(小回り)」を重視していたと考えられています。

首を使った捕食スタイル

彼らは沿岸の浅瀬で、イカや魚などの軟体動物を捕食していました。

イカや魚などの軟体動物を捕食していた

イカや魚などの軟体動物を捕食していた

近年の研究では、首は主に「下方」へ曲げるのに適していたことが分かっています。

首は主に「下方」へ曲げるのに適していた

首は主に「下方」へ曲げるのに適していた

泳ぐ魚を追うだけでなく、海底の泥に潜む獲物を探していた可能性や、近縁種(モルトゥルネリア)の研究からはプランクトンなどを「濾過捕食」していた可能性も指摘されています。

卵を産まない?驚きの「胎生」説

爬虫類といえば「卵」のイメージですが、プレシオサウルスを含む首長竜は、「卵胎生」あるいは「胎生」であった可能性が非常に高いとされています。

海中での出産

成体の腹部の化石から「子供の骨」が発見されており、これは彼らが陸に上がって産卵するのではなく、海の中でお腹から直接子供を産んでいた(出産していた)ことの有力な証拠です。
ウミガメのように上陸する必要はなく、生涯を海中で過ごす完全な水生生活に適応していたのです。

永遠のアイドル「ネッシー」の正体

プレシオサウルスは学術的な重要性だけでなく、サブカルチャーでも絶大な人気を誇ります。
その最大の理由は、スコットランドのネス湖の未確認生物「ネッシー」の正体として最有力視されてきたからです。

「湖面に長い首をもたげる巨大な影」というイメージは、まさにプレシオサウルスそのもの。
世界各地で報告される首長竜タイプのUMAは、総じて「プレシオサウルスの生き残り」として語られることが多く、太古のロマンを象徴する存在として愛され続けています。

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