アパトサウルス Apatosaurus 名前の由来 迷わすトカゲ科名 ディプロドクス科分類 双弓亜綱、竜盤類、竜脚形類生息地(発見地) アメリカ時代 約1億6100万~1億4500万年前(ジュラ紀後期)全長 約26m体重 約24〜32トン食性 植物食解説アパトサウルスは、ジュラ紀後期のアメリカに生息していた大型の草食恐竜です。ジュラ紀後期のアメリカに生息していた大型の草食恐竜その名は、かつてブロントサウルスとして広く知られていた恐竜と同一種であるとされ、古生物学界の歴史を物語る数奇な運命をたどってきました。巨大な体とユニークな身体構造アパトサウルスは、数ある竜脚形類の中でも、がっしりした体と首をもつことが特徴です。 体長およそ26m、体重は24トンから重いものでは32トンもあったとされ、その巨大さは圧倒的でした。 同じディプロドクス科のディプロドクスよりも体重が重かったと考えられています。その長い首は、強い靭帯を使って6mにも及ぶ長さを持ち上げていたと推測されています。強い靭帯を使って6mにも及ぶ長い首を持ち上げていたまた、後肢よりも前肢の方が長いこともアパトサウルスの特徴のひとつです。かつては「こんな重い体が陸上を歩いたら自重で潰れてしまう」と考えられ、1960年代頃まで水中で生活していたという説が主流でした。 しかし、その後の研究で、現在では水棲説は完全に否定されています。「ブロントサウルス」の誕生と消滅アパトサウルスが発見された1877年頃、アメリカでは「化石戦争」と呼ばれる熾烈な競争が繰り広げられていました。 そんな中、ある学者がアパトサウルスを新種だと誤って同定し、「ブロントサウルス(雷トカゲ)」と名付けてしまいます。 ブロントサウルスはその後、本家アパトサウルスを上回る人気と知名度を獲得し、長年にわたり多くの図鑑やメディアで活躍しました。しかし、後に見直しが行われ、ブロントサウルスはアパトサウルスと同種であると判断されます。 先に登録されていたアパトサウルスの名前が優先され、「ブロントサウルスは存在しなかった」という結論に至ったのです。驚異の成長速度と知られざる生態アパトサウルスは、その巨大な体が肉食恐竜から身を守る最大の武器であったと考えられています。 特に、前肢の親指と後肢の3本の指には大きなカギ爪があり、捕食者に対する武器として非常に有効でした。驚くべきはその成長スピードであり、生まれてからわずか約13年で成体になっていた可能性があります。 特に幼体の時は、1日に体重が15kgも増えていたという説もあり、当時の食料となる植物が非常に豊富であったことを物語っています。アパトサウルスは、四角い口の前方に鉛筆のような形の歯が並んでいましたが、これは咀嚼には役立ちませんでした。 歯を熊手のように用いて植物の葉をむしり、丸飲みして食べていたのです。歯を熊手のように用いて植物の葉をむしり、丸飲みして食べていた。また、アパトサウルスの頭骨は長年見つかっていなかったため、比較的似たカマラサウルスの頭骨が流用され復元されていました。 しかし、1990年代に完全な化石が発見され、細い流線型の顔をしていたことが判明しました。新たな研究と不遇な恐竜長年、頭骨を間違えられ、そしてブロントサウルスという別名で呼ばれ続けたアパトサウルスは、少々不遇な目にあったかもしれません。 しかし、2015年には「アパトサウルスとブロントサウルスは別種の恐竜である可能性が高い」という新たな研究結果が発表され、ブロントサウルスが再び復活しようという興味深い動きも見られます。アパトサウルスの非常に頑丈で大きな骨格は、その堂々たる姿を現代に伝える貴重な手がかりとなっています。 PREV アマルガサウルス アグスティニア NEXT この恐竜を見た人はこんな恐竜も見ています シュノサウルス Shunosaurus 分類竜脚形類 特徴草食恐竜 時代ジュラ紀 アトラスコプコサウルス Atlascopcosaurus 分類鳥脚類 特徴草食恐竜 時代白亜紀 マメンチサウルス Mamenchisaurus 分類竜脚形類 特徴草食恐竜 時代ジュラ紀 マイアサウラ Maiasaura 分類鳥脚類 特徴草食恐竜 時代白亜紀 スポンサーリンク スポンサーリンク
解説
アパトサウルスは、ジュラ紀後期のアメリカに生息していた大型の草食恐竜です。
ジュラ紀後期のアメリカに生息していた大型の草食恐竜
その名は、かつてブロントサウルスとして広く知られていた恐竜と同一種であるとされ、古生物学界の歴史を物語る数奇な運命をたどってきました。
巨大な体とユニークな身体構造
アパトサウルスは、数ある竜脚形類の中でも、がっしりした体と首をもつことが特徴です。
体長およそ26m、体重は24トンから重いものでは32トンもあったとされ、その巨大さは圧倒的でした。
同じディプロドクス科のディプロドクスよりも体重が重かったと考えられています。
その長い首は、強い靭帯を使って6mにも及ぶ長さを持ち上げていたと推測されています。
強い靭帯を使って6mにも及ぶ長い首を持ち上げていた
また、後肢よりも前肢の方が長いこともアパトサウルスの特徴のひとつです。
かつては「こんな重い体が陸上を歩いたら自重で潰れてしまう」と考えられ、1960年代頃まで水中で生活していたという説が主流でした。
しかし、その後の研究で、現在では水棲説は完全に否定されています。
「ブロントサウルス」の誕生と消滅
アパトサウルスが発見された1877年頃、アメリカでは「化石戦争」と呼ばれる熾烈な競争が繰り広げられていました。
そんな中、ある学者がアパトサウルスを新種だと誤って同定し、「ブロントサウルス(雷トカゲ)」と名付けてしまいます。
ブロントサウルスはその後、本家アパトサウルスを上回る人気と知名度を獲得し、長年にわたり多くの図鑑やメディアで活躍しました。
しかし、後に見直しが行われ、ブロントサウルスはアパトサウルスと同種であると判断されます。
先に登録されていたアパトサウルスの名前が優先され、「ブロントサウルスは存在しなかった」という結論に至ったのです。
驚異の成長速度と知られざる生態
アパトサウルスは、その巨大な体が肉食恐竜から身を守る最大の武器であったと考えられています。
特に、前肢の親指と後肢の3本の指には大きなカギ爪があり、捕食者に対する武器として非常に有効でした。
驚くべきはその成長スピードであり、生まれてからわずか約13年で成体になっていた可能性があります。
特に幼体の時は、1日に体重が15kgも増えていたという説もあり、当時の食料となる植物が非常に豊富であったことを物語っています。
アパトサウルスは、四角い口の前方に鉛筆のような形の歯が並んでいましたが、これは咀嚼には役立ちませんでした。
歯を熊手のように用いて植物の葉をむしり、丸飲みして食べていたのです。
歯を熊手のように用いて植物の葉をむしり、丸飲みして食べていた。
また、アパトサウルスの頭骨は長年見つかっていなかったため、比較的似たカマラサウルスの頭骨が流用され復元されていました。
しかし、1990年代に完全な化石が発見され、細い流線型の顔をしていたことが判明しました。
新たな研究と不遇な恐竜
長年、頭骨を間違えられ、そしてブロントサウルスという別名で呼ばれ続けたアパトサウルスは、少々不遇な目にあったかもしれません。
しかし、2015年には「アパトサウルスとブロントサウルスは別種の恐竜である可能性が高い」という新たな研究結果が発表され、ブロントサウルスが再び復活しようという興味深い動きも見られます。
アパトサウルスの非常に頑丈で大きな骨格は、その堂々たる姿を現代に伝える貴重な手がかりとなっています。