アクイロプス Aquilops
名前の由来
鷲の顔
分類
双弓亜綱、鳥盤類、周飾頭類
生息地(発見地)
アメリカ
時代
約1億800万〜1億400万年前(白亜紀前期)
全長
約60cm
体重
約1.5kg
食性
植物食
Jurassic
Park / World シリーズ登場恐竜
ジュラシック・ワールド/復活の大地 における活躍
劇中に登場するのは、子犬程度の大きさの幼体です。
この個体は「ドロレス」と名付けられ、登場人物のイザベラに非常に懐いている様子が描かれています。
その愛らしさは本作のハイライトの一つであり、イザベラと常に行動を共にするだけでなく、彼女のリュックの中に入って同行するという、ファンにはたまらないキュートな描写も用意されています。
愛玩動物のような可愛さを持つ一方で、野生の恐竜としての鋭い感覚も持ち合わせています。
アクイロプスは小型恐竜であるため、外敵に対する警戒心が非常に強いのが特徴です。
劇中でも、迫りくる大型の捕食者たちを敏感に察知する様子が描かれており、一行の危機管理において重要な役割を果たしています。























解説
アクイロプスは、今からおよそ1億800万年から1億400万年前、白亜紀前期の北米大陸に生息していた角竜類の恐竜です。
全長わずか60cmほどという小ささと、名前の由来となった特徴的な口先を持つこの恐竜は、北米で発見された中では非常に古いタイプの角竜として知られています。
名前の由来と基礎データ
アクイロプスという学名は、ラテン語と古代ギリシア語の組み合わせで名付けられました。
名前の意味
ラテン語で「鷲」を意味する “アクイラ” + 古代ギリシア語で「顔」を意味する “オプス” = 「鷲の顔」
模式種
アクイロプス・アメリカヌス
この種小名は、アメリカ合衆国で発見された初めての「非常に基盤的なネオケラトプス類」であることを記念して名付けられました。
発見から命名までの歴史:17年越しの新種認定
アクイロプスの化石が最初に発見されたのは1997年のことです。
ナショナルジオグラフィックが支援した探検隊によって、アメリカ・モンタナ州南部カーボン郡にある「クロバリー累層(アルビアン階)」から、単一の部分的な頭骨が発掘されました。
発見者は古生物学者のスコット・マドセン氏です。
一度は別の恐竜と間違えられた?
発見されてすぐ「アクイロプス」として世に出たわけではありません。
当初、この標本は補修作業が行われている間、別の恐竜である「ゼフィロサウルス」として記載されていました。
その後、マドセン氏自身がこれが新種であることに気づきましたが、実際に正式に認められるまでには長い時間を要しました。
発見から17年後の2014年、アンドリュー・ファルケらによってようやく命名・記載され、アクイロプスはその名を歴史に刻むこととなったのです。
全長わずか60cm!「鷲の顔」の身体的特徴
アクイロプスは非常に小型の恐竜です。
古生物学者のマシュー・ウェデル氏による推定では、そのサイズは以下の通りです。
記載者が提唱する独自の特徴
アクイロプスには、その名の通りユニークな顔の特徴があります。
鷲のようなクチバシ
アクイロプスの最大の特徴です。
クチバシの骨芯は下向きに湾曲しており、正面にはコブのあるアーチ状の隆条を持っています。
特殊な歯列
上顎後部の歯列を正面から見た際、側面から見た時の窪みの全長よりも長いという特徴があります。
尖った前眼窩窓
前眼窩窓(ぜんがんかそう)の長さが高さの2倍あり、後ろに尖って眼窩の下にまで伸びています。
分類と進化:プシッタコサウルスとプロトケラトプスの間
分類学的な立ち位置としては、有名な角竜であるプシッタコサウルス以上、プロトケラトプス以下の位置にいた恐竜だと考えられています。
非常に基盤的なネオケラトプス類として、角竜の進化の過程を考える上で重要な存在です。
未だ残る謎:フリルも胴体も見つかっていない?
アクイロプスは、その詳細な生態について未だ多くの謎に包まれています。
見つかっているのは「頭の一部」だけ
現在までに発見されているのは、上下の顎を含む頭骨の一部のみです。
後頭部や口蓋の大部分は失われており、恐竜の全体像を知るための胴体の骨はもちろんのこと、角竜のシンボルとも言える「フリル」の部分すら見つかっていません。
標本は「子供」だった可能性が高い
さらに、発見されているホロタイプ標本自体が、成熟しきった個体のものではない「亜成体」である可能性が高いとされています。
近縁種と比較した研究では、この標本は成体の60%程度の大きさであると示唆されています。
つまり、私たちが知っているアクイロプスの姿はまだ成長過程のものであり、完全に成長した成体がどのような姿をしていたのかは、まだ誰にも分かっていないのです。
さらなる発見への期待
標本数が極端に少なく、見つかっているのも部分的な亜成体の化石のみであるため、アクイロプスの全貌解明には至っていません。
この謎多き「鷲の顔」を持つ恐竜の真の姿を知るためには、さらなる化石の発見が不可欠です。