エウスケロサウルス Euskelosaurus

名前の由来

原始的な脚のトカゲ

科名

プラテオサウルス科

分類

双弓亜綱、竜盤類、竜脚形類

生息地(発見地)

南アフリカ共和国、ジンバブエ、レソト

時代

三畳紀後期

全長

約9m

食性

植物食

解説

エウスケロサウルスは、三畳紀後期の南アフリカに生息していた、最も大型の古竜脚類のひとつです。

最初の大型植物食恐竜であるプラテオサウルスに近い系統に属しており、当時は全ての大陸がひとつだった超大陸「パンゲア」に生息していました。

ティラノサウルスよりも長い歴史を持つ「最古参」

1863年の発見と異様な化石の少なさ

この恐竜の発見は、今からおよそ200年前の1863年にまで遡ります。
これは、かの有名なティラノサウルス(1892年発見)よりも古く、古生物学会においては「最古参」とも呼べる由緒ある存在です。

しかし、それほど長大な歴史を持っているにも関わらず、現在までに発掘されている骨は手足の骨と椎骨のみと、異様なまでに少ないのが現状です。

日本での知名度は「両手で数えるほど」?

発見が古く、化石が少ない。
そのせいか、恐らく日本人のほとんど、極端に言えば「両手で数えられる程度の人数」しか知らないであろう、非常に「地味」な恐竜と言われています。
知る人ぞ知る、マニアックな存在です。

肉食から植物食へ:食性の移行と進化

中間の恐竜としての特徴

エウスケロサウルスが属する古竜脚類は、恐竜が肉食から植物食へと食性が移行する「中間」の存在であると考えられています。
実際にエウスケロサウルスの歯は、動物でも植物でも食べやすい形をしていました。

狩りには大きすぎる体

歯の形状は雑食の可能性を示していましたが、彼らの体は獲物を襲って狩りをするには大きすぎました。
そのため、基本的には植物を食べて生活していたようです。

大きな胃腸を支える「湾曲した大腿骨」

身体的な特徴として、大腿骨(太ももの骨)が胴体の外側へ曲がっている点が挙げられます。
これには、植物食動物ならではの理由が推測されています。

植物は肉に比べて消化に時間がかかるため、長い腸を必要とします。
この大腿骨の湾曲は、植物を消化吸収するための大きな胃腸を腹部に収めるために、骨格がそのように進化した結果なのかもしれません。

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