ヘテロドントサウルス Heterodontosaurus
名前の由来
異なる歯を持つトカゲ
科名
ヘテロドントサウルス科
分類
双弓亜鋼、鳥盤類、鳥脚類
生息地(発見地)
南アフリカ
時代
約1億9900万〜1億8900万年前(ジュラ紀前期)
全長
約0.9〜1.2m
体重
約6kg
食性
植物食
Jurassic
Park / World シリーズ登場恐竜
ジュラシック・パーク における活躍
生体が登場するシーンはありません。
しかし、パークのビジターセンター(メインホールの骨格標本付近)の外壁として、その頭骨の化石が埋め込まれている(あるいは彫られている)様子が確認できます。
これが、本作におけるヘテロドントサウルスの唯一の登場シーンです。























解説
ヘテロドントサウルスは、中生代ジュラ紀前期の南アフリカに生息していた、小柄な鳥盤類の恐竜です。
全長は約0.9〜1.2mと七面鳥ほどの大きさしかありませんでしたが、そのユニークな特徴から、恐竜の初期の進化を解き明かす上で非常に重要な存在となっています。
非常に良好な化石が明かす姿
ヘテロドントサウルスは、全身のほとんどが保存された非常に状態の良い化石が発見されており、恐竜時代の黎明期における彼の奇妙な姿が詳細に判明しています。
この化石から、彼は胴体が短く、尾が極めて長く、ほっそりした後肢を持っていたことが分かります。
体は軽かったため、二本足で素早く走って敵から逃げることができました。
また、顔の横にある大きな目は、植物を食べている時でも敵を見つけるのに役立ちました。
最大の謎:「異端の歯」が示す進化
ヘテロドントサウルスの最も不思議な特徴は、その口に生え揃った歯の構造です。
通常、恐竜の口には同じような形の歯が並んでいますが、ヘテロドントサウルスは哺乳類のように歯が3種類に分化していました。
切歯
口の一番前に並ぶ歯は肉食動物のように長く尖った切歯状で、植物を摘み取るのに適していたとされますが、その役割はいまだに謎となっています。
犬歯 (牙)
その後ろには人間の犬歯のような牙状の歯がありました。
犬歯状の歯をもつ恐竜は非常に稀で、これを何に用いたのかについては定説がありません。
戦いや、繁殖期・縄張り争いの際に、この牙をむき出して相手を威嚇したのかもしれません。
臼歯状の歯
最も後方の頬の部分の歯は、植物を噛んで擦り切る咀嚼(そしゃく)に適した形をしていました。
恐竜としては稀な「5本指」
さらに驚くべき特徴が、その前肢です。
なんと指が5本もありました。
恐竜の世界において指が5本ある種は極めて稀であり、特に中世代初期の段階においてこのような進化を遂げた生物がいたこと自体が驚きでした。
生前は、この5本指を器用に使って、草花などの植物を掴んでいたと考えられています。
アブリクトサウルスとの関係
ヘテロドントサウルスには、犬歯の無い標本も見つかっており、これはアブリクトサウルスという別の属名が立てられています。
しかし、これは闘争する必要がないため犬歯を持たないヘテロドントサウルスのメス、もしくは犬歯の生え代わる途中の個体である可能性が高いとされています。
鳥盤類の礎
ヘテロドントサウルスのユニークな歯と原始的な5本指は、彼がトリケラトプスやアンキロサウルス、そしてパラサウロロフスら、後に大繁栄する鳥盤類の礎(いしずえ)となった生物であることを示唆しています。