イサノサウルス Isanosaurus

名前の由来

イーサーン(タイ東北部のイーサーン地方で発見された)トカゲ

分類

竜盤類、竜脚形亜目

生息地(発見地)

タイ

時代

約2億1600万〜1億9900万年前(三畳紀後期)

全長

約6m

体重

約2〜3トン

食性

植物食

解説

イサノサウルスは、三畳紀後期の東南アジアに生息していた竜脚形類です。
その化石は、竜脚形類の中でも最も初期のものの一つであり、後の時代の巨大な竜脚形類へと続く進化の道筋を示している、非常に重要な存在です。

原始的でありながら独自の進化

イサノサウルスの化石はごく一部しか見つかっていませんが、その背骨やももの骨は、原始的なプラテオサウルスとは異なり、後の時代の巨大な竜脚形類に似ていました。

頭部は見つかっていませんが、小さく、あごも短かったと考えられています。
歯はスプーンのような形をしており、植物の葉を噛みちぎるのに適していました。

また、大腿骨は古竜脚形類と比べて直線的になっており、これは四足歩行に適応した結果だと考えられています。

ゾウに似た足とユニークな身体構造

イサノサウルスは、大量の葉や草を食べるため、巨大な胃や腸を必要としました。
これを支えるために、4本足と大きな骨盤を持っていました。

前肢は後肢ほど長くはありませんでしたが、つま先を使って歩いていました。
前肢の指先は動かすことができ、植物を食べるときに役立ったと考えられています。

後肢の裏は大きくて、ゾウのように厚い肉に覆われていました。
広い足の裏は体重を支えるのに役立ち、後肢で立ち上がって、木の上の方の葉も食べることができました。

群れでの生活と今後の研究

イサノサウルスは、後の時代の植物食恐竜と同じように、季節ごとに繁殖地や餌場を移動していたと考えられています。
集団で歩いていた足跡が化石で見つかっていることから、現代のゾウのように群れで暮らしていたと思われます。

竜脚形類は4本足で体を支えることで、さらに体を大きくすることができ、後の時代に史上最大の陸生動物へと進化しました。
イサノサウルスはそこまで大きくはありませんでしたが、後の時代の仲間と同じような生活をしていたと考えられています。

この貴重な化石は、今後の研究によって、初期の竜脚形類の謎を解き明かす重要な手がかりとなるでしょう。

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