レソトサウルス Lesothosaurus
名前の由来
レソトのトカゲ
科名
レソトサウルス科
分類
双弓綱、鳥盤類
生息地(発見地)
南アフリカ
時代
約1億9900万〜1億8900万年前(ジュラ紀前期)
全長
約1m
体重
約3〜10kg
食性
植物食
Jurassic
Park / World シリーズ登場恐竜
ジュラシック・ワールド における活躍
生体が劇中に登場することはありません。
その存在は、パークのイノベーション・センター内に設置されているホログラム(ホロスコープ)のラインナップの一つとして含まれていたようです。
生体が島にいたかどうかは不明ですが、パークで公式に飼育されている恐竜としてはカウントされていません。
そのため、遺伝子データは存在したものの実際には復元されなかったか、あるいは過去には存在していたのかもしれません。





















解説
レソトサウルスは、ジュラ紀前期の南アフリカ(レソト王国)に生息していた小型の草食恐竜の一種です。
1978年に古生物学者ポール・セレノらによって記載されたこの恐竜は、最初期に現れた鳥盤類の仲間の一つであり、全長約1mほどの小さな恐竜でした。
肉食恐竜のような姿と俊敏な動き
レソトサウルスは植物食恐竜でしたが、2本足で歩き、肉食恐竜のような姿をしていました。
ほっそりとした体型で、細く短い尾を持ち、長い脚の骨は細くて軽かったため、素早く走ることができました。
彼らは頬骨がなかったため、後の時代の草食恐竜のように植物を頬張ることはできなかったとされています。
その代わり、非常に素早く走れたため、目の前にある草をかじっては走り、またかじっては走り…という俊敏な動きで、捕食者から逃れていたと考えられています。
頭の横についた大きな目(眼孔)で周囲を見渡し、敵に素早く気づくことができ、夜間でも活動できるほど視力が良かったとされています。
原始的な食性と歩行
レソトサウルスの口には頬袋がなく、トカゲに似た顔をしていました。
下あごの先は、歯が無いくちばしになっており、植物を食べるのに適していました。
歯は小さく、前の方が釘のような形、後ろの方は木の葉の形をしていました。
植物を噛み砕くよりは、噛み切るのにむいていたため、後の時代の植物食恐竜の歯と比べると、植物食には適していませんでした。
あごの横にも歯が生えていて、食べた草がこぼれおちるのを防いでいました。
大量の植物を消化するために、大きな消化器官を必要としましたが、鳥盤類の骨盤の形のおかげで、重い消化器官を腰の上で支えることができました。
歩行については、2本足でも4本足でも歩けたとされていますが、短い前肢は歩くのには使わなかったとも言われています。
前肢には、物を掴むための長い指がありました。
分類の変遷:鳥脚類から「装盾類」へ
レソトサウルスの発見は、恐竜の進化の系統を解き明かす上で重要な意味を持ちました。
発見当初
化石が発見された当時は、ヒプシロフォドンのような鳥脚類、あるいは最も原始的な鳥盤類と考えられていました。
現在の分類
2005年にリチャード・バトラーが原始的な装盾類ではないかと推測する意見を出しており、現在では、レソトサウルスはステゴサウルスやアンキロサウルスらの遠い祖先(スケリドサウルス類の祖先にあたる系譜)として、広くその名が知られています。