ペロロプリテス Peloroplites

名前の由来

怪物じみた重装歩兵

科名

ノドサウルス科

分類

双弓亜綱、鳥盤類、装盾類

生息地(発見地)

アメリカ

時代

約1億1600万〜1億900万年前(白亜紀前期)

全長

約5.5m

食性

植物食

解説

ペロロプリテスは、中生代白亜紀前期の北アメリカに生息していた中型の植物食恐竜です。
その名前の響きは、日本語では可愛らしい印象を与えるかもしれませんが、実際には「怪物じみた重装歩兵」という意味を持つ、全長約5.5mのがっしりとした体躯を誇るノドサウルス科の鎧竜です。

発見と特徴:怪物級の頭骨とくちばし

化石はアメリカ・ユタ州エメリー郡にあるシダーマウンテン層の麓で発見され、2008年にケネス・カーペンターらによって命名されました。
発見された化石は、部分的な後肢を除くほぼ全身の骨格が残っており、この恐竜の姿を知る貴重な手がかりとなっています。

ペロロプリテスの頭骨は長さ約56cm、幅35.5cmほどで、頭頂部は緩やかなドーム状になっていました。
口先には歯がなく、発達した角質のくちばしを持っていたことから、生きていた頃はこのくちばしを使って硬い植物などをすりつぶして食べていたと考えられています。
なお、上顎に保存されていた唯一の臼歯は、別の結節竜類であるプリコノドンのものに酷似しています。

独自の骨格構造と鉄壁の防御

骨格には他のノドサウルス科とは異なるユニークな特徴も見られます。
例えば、前肢の尺骨が長く真っ直ぐである点や、距骨が脛骨に融合していない点などが挙げられます。
また、シルヴィサウルスのように6つの脊椎骨で腰を支持する構造を持っていました。

ペロロプリテスは典型的なノドサウルス科の恐竜であり、背中を覆う頑丈な鎧で身を守っていました。
当時、同じ環境にはアクロカントサウルスなどの大型肉食恐竜が生息していましたが、ペロロプリテスは襲われた際、その重厚な体を丸めて地面に伏せ、背中の鎧で攻撃をやり過ごしていたのではないかと推測されています。

ジュラシック・パーク/ジュラシック・ワールド Jurassic
Park / World
シリーズ登場恐竜

  • ジュラシック・ワールド/炎の王国 における活躍

    生体として登場することはなく、白骨化した死骸や標本としてのみスクリーンに姿を見せました。

    イスラ・ヌブラル島での火山噴火の際、ウィートリーに麻酔弾を撃たれて倒れたオーウェンの目の前で、流れる溶岩に飲み込まれ、焼け落ちていった骨。
    その正体こそが本種ペロロプリテスです。

    このほか、クレアたちが火山近くのラボに向かう道中に転がっていた死体も本種であるほか、意外なところでは、アメリカ本土のロックウッド邸に飾られた標本としても登場しています。

    本種はテラトフォネウスと同様、インジェン社の公式リスト(イスラ・ヌブラル島に生息していた恐竜の一覧)には掲載されていない恐竜であり、誕生した経緯を含めた全てが謎に満ちています。

    また、ロックウッド邸でのオークション会場の商品リストにもその名前がなかったことから、火山活動の影響、あるいはクレアたちが島に来る前に絶滅した可能性が濃厚であると考えられています。

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