セギサウルス Segisaurus

名前の由来

セギ渓谷のトカゲ

科名

コエロフィシス科

分類

双弓亜綱、竜盤類、獣脚類

生息地(発見地)

アメリカ

時代

約1億8300万年前(ジュラ紀前期)

全長

約1m

体重

約5kg

食性

肉食

解説

セギサウルスは、中生代ジュラ紀前期に北アメリカ大陸、現在のアリゾナ州にあるツェギ キャニオン(セギ渓谷)に生息していた小型の肉食恐竜です。
その名は、化石が発掘された地名にちなんで「セギ渓谷のトカゲ」という意味で名付けられました。

ガチョウサイズの俊足ハンター

セギサウルスは、全長約1m、体重5kgほどの非常に小柄な恐竜で、その大きさは現代のガチョウほどしかありませんでした。

身体的特徴

セギサウルスの体の構造は鳥類に似ており、首は細長く柔軟で、尻尾と前肢は長いという特徴を持っていました。
骨は中空であり、体は軽いつくりになっていたと推測されます。

俊敏性

ほっそりとした体躯と発達した後肢は、速く走ることに適応しており、体の動きは非常に素早かったと考えられています。

武器

手にはかぎ爪があり、これはセギサウルスが肉食恐竜であったことを示しています。

謎に包まれた食性:頭骨の未発見

セギサウルスの化石は発見されているものの、頭骨と歯がまだ見つかっていません。
そのため、彼らが具体的に何を食べていたのかについては確証が得られていません。

しかし、その軽量な体とかぎ爪を持つことから、おもに昆虫やトカゲなどの小動物を捕食したり、あるいは自分よりも大きな動物の死骸を漁ったりする(死肉漁り)、俊敏なハンターであったと推測されています。

最大の特徴:「鎖骨」の発見と進化的意義

セギサウルスの発見が古生物学界において非常に重要視されている理由は、その胸部にあります。

セギサウルスの化石からは、恐竜の多くが持ち合わせていないはずの「鎖骨」が発見されました。
この鎖骨の存在は、現代の鳥類が持つ特徴と合致します。

この事実は、セギサウルスが単なる小型の肉食恐竜であるだけでなく、恐竜と鳥類が分岐し、それぞれが独自の進化の道を歩み始める前の貴重な姿を示している可能性を意味します。
セギサウルスは、恐竜から鳥類への進化のミステリーを解き明かす上で、極めて重要な鍵を握る存在なのです。

ジュラシック・パーク/ジュラシック・ワールド Jurassic
Park / World
シリーズ登場恐竜

  • ジュラシック・パーク における活躍

    生体としての登場シーンは一切ありません。

    しかし、パークで飼育されている恐竜として設定だけが存在しています。
    設定上、セギサウルスのためのパドックは用意されており、パークの地図などではその標識(頭骨のデザイン)を確認することができます。

    劇中での活躍が皆無であったため、おそらく相当熱心なファンでもない限り、このセギサウルスがイスラ・ヌブラル島に生息していた(という設定であった)ことなど知らなかったのではないでしょうか。

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