ステゴサウルス Stegosaurus

名前の由来

屋根をもつトカゲ

科名

ステゴサウルス科

分類

双弓亜綱、鳥盤類、装盾類

生息地(発見地)

アメリカ、ポルトガル、マダカスカル

時代

約1億5500万~1億4500万年前(ジュラ紀後期)

全長

約9m

体重

約2.5~3.5トン

食性

植物食

解説

ステゴサウルスは、ティラノサウルスブラキオサウルスと並び、古くから広く知られている代表的な恐竜です。
その名は「屋根をもつトカゲ」という意味で、背中にある2列の巨大な骨板(プレート)から名付けられました。
剣竜類の中で最大の恐竜であり、小さな頭部と尾の先のスパイクが非常に印象的なその姿は、多くの人々を魅了します。

小さな頭部と尾の先のスパイクが印象的な最大の剣竜類

小さな頭部と尾の先のスパイクが印象的な最大の剣竜類

強さの秘密:重武装された体

ステゴサウルスの強さの秘密は、その重武装された体にあります。
尾の先に生えた約1mの長さの4本の鋭いスパイクは、敵と戦うための武器でした。
実際にスパイクに刺されたと思われるアロサウルスの化石も見つかっており、スパイクが武器として使われていたことは確実です。

尾の先に生えた4本の鋭いスパイク

尾の先に生えた4本の鋭いスパイク

また、一見無防備に見える喉は、100個以上のつぶ状の皮骨で覆われ、非常に柔軟かつ強固な鎧で守られていました。
腰などの皮下にも細かい骨が埋まっており、これらの重武装が、どう猛な肉食恐竜から身を守る上で重要な役割を果たしていたと考えられています。

謎の背中のプレート:武器か、それとも…?

ステゴサウルスの最も大きな特徴である背中のプレートは、16枚の板が連なった摩訶不思議な形状をしています。
1870年代に化石が発見された当初は、背中を覆う防御用の武器だと考えられていました。
しかし、その厚みが非常に薄く耐久性に乏しかったことから、この説は疑問視されました。

化石の発見から100年後、プレートの表面に血管の跡が残されていることが判明したことから、太陽熱を吸収したり余分な熱を逃がしたりする体温調節器官だったという説が提唱されました。

太陽熱を吸収したり余分な熱を逃がしたりする体温調節器官だったという説が提唱された

太陽熱を吸収したり余分な熱を逃がしたりする体温調節器官だったという説が提唱された

しかし、プレートを走る血管の数が少ないため、その効果は限定的だったようです。
現在、多くの恐竜学者は、プレートが派手な色や模様をしていたと推測しており、仲間同士で見せ合うためのディスプレイや、メスを惹きつけるための役割を担っていたと考えています。
とはいえ、プレートの縁は刃物のように鋭く、武器として用いられていた可能性も否定できません。
その役割は一つだけではなかったのかもしれません。

小さな頭と体の特徴

ステゴサウルスは、その巨大な体に比べて異様に小さな頭を持つことが特徴です。
頭蓋骨を調べたところ、脳の容量はわずか28gしかなく、クルミほどの大きさでした。
これは、これまでに発見された恐竜の中でも最小クラスです。

巨大な体に比べて異様に小さな頭

巨大な体に比べて異様に小さな頭

かつて「第二の脳」があったという説もありましたが、現在では否定されています。

体格は、体重2.5〜3.5トンほどで、現代のシロサイと同じくらいの重さです。
前肢は短く、後肢よりもお尻が高いアーチ状の姿勢で生活していました。

前肢は短く、後肢よりもお尻が高いアーチ状の姿勢で生活していた。

前肢は短く、後肢よりもお尻が高いアーチ状の姿勢で生活していた。

この体つきから、敵から走って逃れることは全くできませんでした。

独自の食事法

ステゴサウルスは草食で、小さな頭と長い鼻先、そして口の奥にある小さな歯を持っていました。
食べるときは、口の前にある鋭利なクチバシを使い、地表に生えた背の低い植物を摘み取っていました。

クチバシを使い、地表に生えた植物を摘み取っていた。

クチバシを使い、地表に生えた植物を摘み取っていた。

上あごと下あごの歯をこすり合わせて植物を噛み切ったり、細かく刻んだりしました。
おそらく頬には袋があり、摘み取った植物を噛む前に一時的に溜めておくことができたと考えられています。

まとめ

ステゴサウルスは、見た目のインパクトとは裏腹に、その生態には多くの謎が残されています。
しかし、その重武装された体は、ジュラ紀後期という時代を生き抜き、世界中で繁栄したことの何よりの証拠です。

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