イサノサウルス Isanosaurus

解説

イサノサウルスは、三畳紀後期の現東南アジアに生息した竜脚形類の恐竜です。

イサノサウルスの化石は、竜脚形類の中でも最も初期のものです。
一部の骨しか見つかっていませんが、背骨やももの骨の形は、プラテオサウルスなど原始的な竜脚形類とは違い、後の時代の巨大な竜脚形類のようでした。

頭の骨は見つかっていませんが、頭は小さくあごも短かったと考えられています。

歯はスプーンのような形で、葉を噛みちぎるのに適していました。

大腿骨は、古竜脚形類と比べて直線的になっており、四足歩行に適応したものになっています。

大量の葉や草を食べるため、イサノサウルスは巨大な胃や腸を必要としました。
4本足と大きな骨盤で巨大な消化器官を支えていたと考えられています。

前肢は後肢ほど長くはありませんでした。
体は非常に重かったですが、前肢はつま先を使って歩いていました。
前肢の指先は動かすことができ、植物を食べるときに役立ちました。

後肢の裏は大きくて、ゾウのように厚い肉に覆われていました。
広い足の裏は体重を支えるのに役立ち、後肢で立ち上がって、木の上の方の葉も食べることができました。

竜脚形類は4本足で体を支えることで、さらに体を大きくすることができました。
後の時代にあらわれた竜脚形類の仲間は、史上最大の陸生動物となりました。
イサノサウルスはそこまで大きくはありませんでしたが、後の時代の仲間と同じような生活をしていたと考えられています。

集団で歩いていた足跡が化石で見つかっていることから、イサノサウルスは今の時代のゾウのように、群れで暮らして いたと思われます。
食べ物を求めて移動をしていたと考えられており、後の時代の植物食恐竜も、季節ごとに繁殖地やえさ場を移動していたようです。