ナストケラトプス Nasutoceratops
名前の由来
大きな鼻と角のある顔
科名
ケラトプス科
分類
双弓亜綱、鳥盤類、周飾頭類
生息地(発見地)
アメリカ
時代
約7600万年前(白亜紀後期)
全長
約4~6m
体重
約1.5トン
食性
植物食
Jurassic
Park / World シリーズ登場恐竜
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 における活躍
映画の冒頭にあたるプロローグ(先史時代の光景)では、白亜紀当時の自然な姿が描かれています。
まるでヌーの大移動のように、複数の個体が大きな群れを形成して移動し、川を渡る様子や、数頭が水浴びをする姿が登場しました。
現代パートでは、ネバダ州にある牧場が舞台となります。
ここでは、ナストケラトプスが密売目的で違法に飼育・繁殖させられており、まさに売りに出されそうになっている過酷な状況が描かれました。
クレアたちがこの施設を摘発し、その中で捕らえられ衰弱していた1頭の幼体を保護します。
幼体を取り返そうと、牧場主たちが車で執拗に追いかけてきますが、ここで激怒した成体の群れが登場します。
成体たちは牧場主たちの車に突進して攻撃を加え、車両をめちゃめちゃに破壊して撃退するという、角竜ならではのパワーを見せつけました。
事件後、違法牧場は閉鎖され、保護された幼体たちはバイオシン社の保護区「バイオシン・サンクチュアリ」へと移送されました。
また、公式プロモーションサイト「Dinotracker」の投稿などでは、アメリカ国内において成体・幼体ともに目撃情報が寄せられており、野生化した個体が定着していることが示唆されています。







































解説
ナストケラトプスは、白亜紀後期の北アメリカ大陸(現在のユタ州)に生息していた角竜の一種です。
2013年に新種として認められた比較的新しい恐竜でありながら、その「牛のような角」と「大きな鼻」という強烈なインパクトで、恐竜ファンの間で急速に知名度を上げています。
発見と命名:2013年に登場した恐竜界のニューフェイス
ナストケラトプスが新種として正式に認められ、命名されたのは2013年のことでした。
角竜界の「新星」といえば、2010年に登録され一気に人気恐竜となった「シノケラトプス」が有名ですが、ナストケラトプスはそれよりもさらに日が浅い、まさに「期待のニューフェイス」です。
現在発見されている化石は、特徴的な頭蓋骨と上腕の一部くらいと非常に少ないのが現状ですが、そのユニークな形状から、これからの研究に大きな期待が寄せられています。
名前の由来は「大きな鼻」:ユニークな顔立ち
ナストケラトプスの全長は、およそ4~6mほどであったと推測されています。
その学名には、彼らの身体的特徴がそのまま表されています。
名前の意味
「ナストケラトプス」とは、「大きな鼻と角のある顔」という意味を持っています。
鼻の特徴
吻部(口先)が前後方向に短くなっている一方で、内鼻孔が上下に伸びており、結果として鼻が大きく強調された構造になっていました。
その鼻はパキリノサウルスのように丸まっており、やや原始的な体のつくりをしていたとされています。
最大の特徴:「牛」のような湾曲した角
大きな鼻以上に目を引くのが、頭部に生えた独特な「角」です。
「牛」のような湾曲した角
通常の角竜とは異なり、ナストケラトプスの目の上にある2本の角は、側方に強く湾曲しながら前上方に伸びていました。
それは綺麗な弧を描いており、現代の生物で例えるならば、「水牛」の角のような形をしていました。
角の構造
水牛の角と同じく、中が空洞で軽量化されていたことが分かっています。
機能の謎
軽量化のためという説のほかに、なんと「浮袋の役割を果たした」とする説もありますが、詳細は未だ多くの謎に包まれています。
進化の謎:時代遅れのサバイバー?
ナストケラトプスは、分類上はスティラコサウルスなどと同じセントロサウルス亜科に属しています。
しかし、彼らは角竜の進化史において少し変わった立ち位置にいます。
彼らが生息していたのは約7600万年前。
この時代の北アメリカ(ユタ州周辺)では、既にセントロサウルス亜科の角竜たちは姿を消し始め、代わってカスモサウルスの一族が勢力を拡大していました。
通常であれば、目の上に2本の角を持ち、鼻の上の角が発達していないタイプのセントロサウルス亜科は、この時代には既にいなくなっていたはずなのです。
しかし、ナストケラトプスはそんな時代にひょっこりと登場しました。
周囲が新しいタイプへと移り変わる中で、彼らは「原始的な種の生き残り」として、独自のスタイルを維持したまま生き残っていたことが示唆されています。
まとめ
ユタ州を根城にし、他の角竜たちが進化や交代を繰り返す中で、「大きな鼻」と「牛のような角」という独自のスタイルを貫いていたナストケラトプス。
発見されている部位は少ないものの、その特異な形状と「時代遅れのサバイバー」という生存背景は、多くの恐竜ファンや研究者の関心を集めています。