ヒラエオサウルス Hylaeosaurus

名前の由来

森のトカゲ

分類

双弓亜綱、鳥盤類、装盾類

生息地(発見地)

イギリス

時代

約1億4000万年前(白亜紀前期)

全長

約4〜6m

体重

約2トン

食性

植物食

解説

恐竜図鑑を開くと、ティラノサウルストリケラトプスのような人気者が目立ちますが、恐竜研究の歴史において絶対に欠かせない「第3の恐竜」をご存知でしょうか?
その名は「ヒラエオサウルス」。

白亜紀前期(約1億4000万年前)のイギリスに生息していたこの鎧竜は、メガロサウルスイグアノドンに続いて世界で3番目に名前が与えられた歴史的な存在です。

歴史に名を刻む「第3の恐竜」とマンテル

ヒラエオサウルス最大の特徴は、その生物学的な生態よりも、発見と研究の歴史にあります。

ギデオン・マンテルによる命名

この恐竜は、イグアノドンの発見者としても有名なギデオン・マンテルによって発見・命名されました。
学名の意味は「森のトカゲ」。
メガロサウルスイグアノドンに続き、世界で3番目に学名が付けられた恐竜として記録されています。

「恐竜(Dinosauria)」の定義に使われた3種

さらに重要なのが、リチャード・オーウェンによる「恐竜」の定義です。
オーウェンが初めて「恐竜(Dinosauria)」という分類グループを提唱した際、その根拠として挙げたのが、メガロサウルスイグアノドン、そしてこのヒラエオサウルスでした。
つまり、彼がいなければ「恐竜」という言葉や概念の確立はもっと遅れていたかもしれない、記念碑的な存在なのです。

鉄壁の防御!スパイクと骨板の鎧

ヒラエオサウルスは、アンキロサウルスと同じ「鎧竜(曲竜類)」の仲間に分類される、全長4〜6mの中型植物食恐竜です。
残念ながら頭骨は見つかっておらず、発見されている化石は前半身のみですが、残された骨格からその姿が明らかになっています。

不規則な骨板と中空の骨

彼らは身を守るために強固な鎧を纏っていました。
首、肩、背中には円形や楕円形の骨板が不規則に配置され、背中に沿って内部が空洞になった骨片が並んでいました。

肩の巨大なスパイク

さらに特徴的なのが、肩周辺から水平に突き出した大きなスパイク(トゲ)です。
これを使って、肉食恐竜などの捕食者に対して威嚇したり、反撃を行ったりしていたと考えられています。

知る人ぞ知る「かわいそうな恐竜」?

これほど重要な恐竜でありながら、ヒラエオサウルスは少し影の薄い存在でもあります。

知名度の低さとポラカントゥス説

「恐竜」の始祖とも言える3種のうち、メガロサウルスイグアノドンは非常に有名ですが、ヒラエオサウルスは知名度で一歩譲ります。
知る人ぞ知る「かわいそうな恐竜」と言われることもあります。
また、近縁の鎧竜「ポラカントゥス」と同じ生物ではないかという説も提唱されており、その分類や正体については研究者の間でも議論が続いています。

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