ギガノトサウルス Giganotosaurus

巨大な体と数奇な運命

ギガノトサウルスは、発見当初、体長が14mに達するとされ、ティラノサウルスを上回る史上最大の肉食恐竜として世界中の注目を集めました。
しかし、その推定には知られざる裏話があります。

ギガノトサウルスの全身骨格は発見されたものの、頭蓋骨の大部分が欠損していました。
当時の学者がこの欠損部分を過大に復元してしまったため、本来よりも大きな体長が推定されてしまったのです。
この間違いが指摘され、現在では体長が12mから13mに下方修正されています。

それでも、ギガノトサウルスの頭骨は長さ1.5mに達し、その体は頑丈でがっしりとしたつくりでした。
ティラノサウルス（最大約13m）よりわずかに大きいと考えられており、その巨大な存在感は今も多くの人を魅了します。

驚異的な狩猟能力と社会性

ギガノトサウルスは、手足に3本の鋭い鉤爪を持ち、獲物に食らいつくための強靭な顎を持つ、生粋のハンターでした。
頭部は長さ1.9mにも及んだとされています。

南アメリカの広大な土地で、ギガノトサウルスは巨大な竜脚形類と同じ時代、同じ場所で暮らしていました。
その巨大な獲物を倒せる数少ない獣脚類だったかもしれません。

群れで狩りをしていた可能性も指摘されています。
ごく近縁な大型獣脚類の骨格が、少なくとも7体分まとめて発見されたことは、彼らが少数の集団で共同狩猟を行っていた強力な証拠とされています。
単独でも高い戦闘能力を持つギガノトサウルスですが、群れで協力することで、アルゼンチノサウルスのような超大型の恐竜をも餌にしていたと考えられています。

アルゼンチノサウルスのような超大型の恐竜をも餌にしていたと考えられている

人気の理由と不運な運命

体長の下方修正により、ギガノトサウルスは現在ではスピノサウルス（最大15m超）に史上最大の肉食恐竜の座を譲っています。
全長の見積もりは研究者によって異なり、真の1位はまだ決定していません。

しかし、その不運な歴史にもかかわらず、ギガノトサウルスの人気は衰えることなく、むしろ増大しています。
巨大な肉食恐竜というロマンあふれる存在感は、多くの人々の心を掴み、今もなお様々なメディアで主役として登場し続けています。