セントロサウルス Centrosaurus 名前の由来 角のあるトカゲ科名 ケラトプス科分類 双弓亜綱、鳥盤類、周飾頭類生息地(発見地) カナダ時代 約7650万〜7550万年前(白亜紀後期)全長 約6m体重 約3トン食性 植物食解説恐竜時代の終盤、白亜紀後期の北アメリカ大陸。 現在のカナダ・アルバータ州にあたる地域には、数千、いや数万頭もの巨大な群れを作って大地を埋め尽くす角竜たちがいました。その名は「セントロサウルス」。トリケラトプスほど巨大ではなく、スティラコサウルスほど派手ではありませんが、彼らはこの時代の北米で最も繁栄していた草食恐竜の一つです。「角のあるトカゲ」:名前に秘められた誤解と真実セントロサウルスという学名は、ギリシャ語で「角のあるトカゲ」を意味します。 彼らの特徴である「鼻の上の大きな一本角」を見れば納得の名前ですが、実はこれには少々複雑な事情があります。鼻の角ではなく「フリルのトゲ」?1904年の命名時、参照された標本は鼻の角ではなく「フリルの一部」でした。 フリルの後縁にあるカギ状の突起を、研究者が誤って「鼻の上の角」だと解釈してしまったのです。 後に誤解は解けましたが、実際に立派な鼻角を持っていたため、結果的に名前と実体は合致することになりました。名称を巡る混乱また、命名時には既にトカゲの仲間に同じ名前が使われていたため、一時は「エウセントロサウルス」への改名も試みられました(現在は恐竜の方がセントロサウルスとして定着)。 なお、剣竜「ケントロサウルス」とは綴りが似ていますが全く別の恐竜です。セントロサウルス亜科のスタンダード・モデルセントロサウルスは、「セントロサウルス亜科」の代表格です。 トリケラトプス(カスモサウルス亜科)のような「目の上の長い角」はなく、代わりに「鼻の上の長い一本角」が発達しています。「鼻の上の長い一本角」が発達している鼻角個体差が激しく、前方や後方にカーブしたり、直立したりと様々です。フリル比較的短く、後方には顔側へ湾曲したカギ状の突起(フック)があります。これらは仲間へのディスプレイや種を識別する「おしゃれ」として機能していたと考えられています。 体型は樽のように太く、重心の低い安定した構造でした。アルバータのボーンベッド:1万頭の「ヌーのような生活」カナダ・アルバータ州の「州立恐竜公園」からは、世界中の古生物学者が束になっても掘り尽くせないほど大量の化石が発見されています。濁流に消えた大群特定の場所に骨が密集する「ボーンベッド」には、数千〜一万頭もの骨が集約されています。 死因は肉食恐竜や疫病ではなく、「川の氾濫」による集団溺死と考えられています。彼らは現生のアフリカのヌーのように、巨大な群れで季節移動をしていました。 川を渡る際に洪水に巻き込まれ、群れ全体が濁流に飲み込まれてしまったのです。 この悲劇的な記録は、彼らが非常に社会的な動物であった動かぬ証拠です。進化のミステリーと病の記録角の進化と「平和的解決」説セントロサウルス亜科の進化には興味深い仮説があります。 鋭い角を持つセントロサウルスから、角が切り株状になった「アケロウサウルス」、そして巨大なコブになった「パキリノサウルス」へと進化したという説です。鋭い角は同種間の争いで致命傷を与えてしまうリスクがあります。 そのため、頭突きで勝負を決める「コブ」へと進化させることで、無用な殺生を避け、種の繁栄を図ったのではないかと考えられています。恐竜も病に苦しんだ膨大な化石サンプルのおかげで、骨折の治癒痕や骨肉腫(ガン)の痕跡も見つかっています。 皮膚が残ったミイラ状化石もあり、彼らの生きた姿が詳細に解明されつつあります。 PREV ドラコレックス スティラコサウルス NEXT この恐竜を見た人はこんな恐竜も見ています ゲオステルンベルギア Geosternbergia 分類空の爬虫類 特徴肉食恐竜 時代白亜紀 ウエルホサウルス Wuerhosaurus 分類装盾類 特徴草食恐竜 時代白亜紀 テラトフォネウス Teratophoneus 分類獣脚類 特徴肉食恐竜 時代白亜紀 チンデサウルス Chindesaurus 分類獣脚類 特徴肉食恐竜 時代三畳紀 スポンサーリンク スポンサーリンク
解説
恐竜時代の終盤、白亜紀後期の北アメリカ大陸。
現在のカナダ・アルバータ州にあたる地域には、数千、いや数万頭もの巨大な群れを作って大地を埋め尽くす角竜たちがいました。
その名は「セントロサウルス」。
トリケラトプスほど巨大ではなく、スティラコサウルスほど派手ではありませんが、彼らはこの時代の北米で最も繁栄していた草食恐竜の一つです。
「角のあるトカゲ」:名前に秘められた誤解と真実
セントロサウルスという学名は、ギリシャ語で「角のあるトカゲ」を意味します。
彼らの特徴である「鼻の上の大きな一本角」を見れば納得の名前ですが、実はこれには少々複雑な事情があります。
鼻の角ではなく「フリルのトゲ」?
1904年の命名時、参照された標本は鼻の角ではなく「フリルの一部」でした。
フリルの後縁にあるカギ状の突起を、研究者が誤って「鼻の上の角」だと解釈してしまったのです。
後に誤解は解けましたが、実際に立派な鼻角を持っていたため、結果的に名前と実体は合致することになりました。
名称を巡る混乱
また、命名時には既にトカゲの仲間に同じ名前が使われていたため、一時は「エウセントロサウルス」への改名も試みられました(現在は恐竜の方がセントロサウルスとして定着)。
なお、剣竜「ケントロサウルス」とは綴りが似ていますが全く別の恐竜です。
セントロサウルス亜科のスタンダード・モデル
セントロサウルスは、「セントロサウルス亜科」の代表格です。
トリケラトプス(カスモサウルス亜科)のような「目の上の長い角」はなく、代わりに「鼻の上の長い一本角」が発達しています。
「鼻の上の長い一本角」が発達している
鼻角
個体差が激しく、前方や後方にカーブしたり、直立したりと様々です。
フリル
比較的短く、後方には顔側へ湾曲したカギ状の突起(フック)があります。
これらは仲間へのディスプレイや種を識別する「おしゃれ」として機能していたと考えられています。
体型は樽のように太く、重心の低い安定した構造でした。
アルバータのボーンベッド:1万頭の「ヌーのような生活」
カナダ・アルバータ州の「州立恐竜公園」からは、世界中の古生物学者が束になっても掘り尽くせないほど大量の化石が発見されています。
濁流に消えた大群
特定の場所に骨が密集する「ボーンベッド」には、数千〜一万頭もの骨が集約されています。
死因は肉食恐竜や疫病ではなく、「川の氾濫」による集団溺死と考えられています。
彼らは現生のアフリカのヌーのように、巨大な群れで季節移動をしていました。
川を渡る際に洪水に巻き込まれ、群れ全体が濁流に飲み込まれてしまったのです。
この悲劇的な記録は、彼らが非常に社会的な動物であった動かぬ証拠です。
進化のミステリーと病の記録
角の進化と「平和的解決」説
セントロサウルス亜科の進化には興味深い仮説があります。
鋭い角を持つセントロサウルスから、角が切り株状になった「アケロウサウルス」、そして巨大なコブになった「パキリノサウルス」へと進化したという説です。
鋭い角は同種間の争いで致命傷を与えてしまうリスクがあります。
そのため、頭突きで勝負を決める「コブ」へと進化させることで、無用な殺生を避け、種の繁栄を図ったのではないかと考えられています。
恐竜も病に苦しんだ
膨大な化石サンプルのおかげで、骨折の治癒痕や骨肉腫(ガン)の痕跡も見つかっています。
皮膚が残ったミイラ状化石もあり、彼らの生きた姿が詳細に解明されつつあります。