エウオプロケファルス Euoplocephalus

名前の由来

武装した頭

科名

アンキロサウルス科

分類

双弓亜綱、鳥盤類、装盾類

生息地(発見地)

アメリカ、カナダ

時代

約7600万〜7000万年前(白亜紀後期)

全長

約8m

体重

約2.5トン

食性

植物食

解説

白亜紀後期の北アメリカ大陸。
ティラノサウルスなどの凶暴な肉食恐竜が闊歩し、弱肉強食が極まっていたこの時代に、鉄壁の防御力を誇る「生きた戦車」のような恐竜が生息していました。
その名は「エウオプロケファルス」。

アンキロサウルス科の鎧竜として知られるこの恐竜は、堅牢な装甲と強力な武器によって、過酷な環境を生き抜いていました。

鉄壁の装甲をまとう「生きた戦車」

隙のない完璧な防御システム

エウオプロケファルスの最大の特徴は、その異名通り、体の外側をすっぽりと覆う「硬い装甲」です。
この装甲はまさに鉄壁であり、その上を無数に飛び出した角状の突起がさらに覆っていました。

体の外側をすっぽりと覆う硬い装甲と無数の突起

体の外側をすっぽりと覆う硬い装甲と無数の突起

強力な捕食者が多い白亜紀後期において彼らが生き残ることができたのは、ひとえにこの完璧な防御システムのおかげです。

また、敵に囲まれたときなどの緊急時には、地面にはいつくばって装甲のない弱い腹部を隠し、やり過ごしたと考えられています。
まさに戦車のごとく、隙のない防御態勢をとることが可能でした。

アンキロサウルスとの違い:3本の指と生息年代

その姿形は、同じ鎧竜のスターである「アンキロサウルス」に瓜二つですが、エウオプロケファルスの方がずっと古い時代を生きていました。
また、体の細部にもユニークな特徴があります。
多くの近似種の恐竜は足の指が4本でしたが、エウオプロケファルスは「3本」しかありません。
この足の特徴は、他の種と見分ける上での重要なポイントとなっています。

一撃必殺の武器:ティラノサウルスも粉砕する「尾のハンマー」

骨塊の構造と威力

エウオプロケファルスのもう一つのシンボルが、尾の先端についた巨大な骨質の塊です。

尾の先端についた巨大な骨質の塊

尾の先端についた巨大な骨質の塊

いくつかの骨が癒合してできたこの塊は、「鎚鉾(つちほこ)」や「棍棒」に例えられます。
その形状は「フリスビーのような円盤状の塊」と表現されるほど重厚です。

研究によると、尾の筋肉は縦方向にはあまり動かせませんでしたが、水平方向(横)には力強く動かせたことが分かっています。
大人の個体がこの尾を力任せに振り回せば、あのティラノサウルスですら、一撃で膝の骨を砕かれてしまったことでしょう。

優れた嗅覚と「偏食家」な一面

柔らかい植物を好む偏食家

重厚な装備を持つエウオプロケファルスですが、頭部は意外にも小さく、歯も小さいものでした。
そのため、あまり硬い植物を食べることはできず、柔らかい草花を選んで食べていたとされています。
ゴツイ見た目に反して、食事は繊細だったようです。

生存を支える優れた嗅覚

この食事を支えていたのが「優れた嗅覚」です。
鋭い嗅覚は、餌となる柔らかい植物を見つける際はもちろん、天敵となる肉食恐竜の接近をいち早く察知するためにも大いに役立っていました。

豊富な化石とアンキロサウルス復元への貢献

鎧竜の仲間はきれいな状態で化石が見つかることが少ないグループですが、エウオプロケファルスはその例外です。
北米では40点を超える標本が見つかっており、状態の良い化石も多いため、学者たちからの人気も高く研究が進んでいます。

アンキロサウルスのモデルとして

あまりにも標本が充実しているため、他の種類の鎧竜の骨格復元図の参考に使われるほどです。
事実、あの有名なアンキロサウルスでさえ発見されているパーツが少ないため、エウオプロケファルスの骨の一部を譲り受ける(参考にする)形で復元されていたりします。

標本に潜む「合成」の謎

最後に、少し複雑な事情についても触れておきましょう。
博物館などで展示されている骨格標本の中には、様々な恐竜の骨が入り混じった「おかしな組まれ方」をしているものが存在することが判明しています。
世に出回っている標本の中には、厳密に言うと純粋なエウオプロケファルスではないものが含まれている可能性があり、完全な復元の難しさを物語っています。

この恐竜を見た人は
こんな恐竜も見ています
ティラノサウルス