カルカロドントサウルス Carcharodontosaurus

名前の由来

ホホジロザメの歯を持つトカゲ

科名

カルカロドントサウルス科

分類

双弓亜綱、竜盤類、獣脚類

生息地(発見地)

エジプト、スーダン、チュニジア、ニジェール、モロッコ、リビア

時代

約1億〜9,300万年前(白亜紀前期)

全長

約13m

体重

約6〜15トン

食性

肉食

解説

カルカロドントサウルスは、白亜紀後期のアフリカ大陸に君臨した巨大な肉食恐竜です。
その名は「サメの歯を持つトカゲ」を意味し、まるでホオジロザメのような縁がギザギザとした三角形の歯を持つことから名付けられました。
この鋭い歯は、肉を切り取ることに特化しており、竜脚形類のような巨大な獲物さえも襲うことができたと考えられています。

歯も鋭く、肉を切り取るのに適していた。

歯も鋭く、肉を切り取るのに適していた。

巨大な捕食者のサイズと数奇な歴史

ティラノサウルスに匹敵する、最大13mを超える体長を持つカルカロドントサウルスですが、現在ではティラノサウルスより若干小さかったと見られています。
それでも、ティラノサウルスが生まれる約1,000万年も前にこれほど巨大な捕食者が存在していたという事実は、多くの研究者を驚かせました。

その発見には数奇な運命が伴っています。
1920年代に最初の化石が見つかりましたが、当初は別の恐竜(メガロサウルス)の化石だと誤解されていました。
ようやく1931年に新種と認められたものの、第二次世界大戦の戦火により、それまでに発見された貴重な標本は焼失してしまいました。
このため、長らくその実態は謎に包まれていました。

転機が訪れたのは1995年。
モロッコでほぼ完全な頭蓋骨が発見され、その大きさが1.5mを超えることが判明しました。
この頭骨は、これまでに発見された肉食恐竜の中でも最大級のものでしたが、ティラノサウルスに比べて軽くて幅が狭く、素早い捕食行動に適していたと考えられています。

アフリカの頂点捕食者としての役割

カルカロドントサウルスの化石は、アフリカ大陸の北部全域で発見されており、広大な地域で生態系の頂点に君臨していたことがうかがえます。

同じ時代、同じアフリカ大陸には、別の巨大肉食恐竜であるスピノサウルスも生息していました。
有名なドイツの古生物学者であるエルンスト・シュトローマーが、スピノサウルスと同様にカルカロドントサウルスの学名を記載したことでも知られています。
両者は同じ地域で競合関係にあったと考えられており、カルカロドントサウルスに噛まれたと思われるスピノサウルスの化石も見つかっています。

胴体部分の化石はほとんど見つかっていませんが、近縁種であるギガノトサウルスの特徴から、短い腕と大きな後肢、そして長い尾を持っていたと予測されています。

短い腕と大きな後肢、そして長い尾を持っていたと予測されている。

短い腕と大きな後肢、そして長い尾を持っていたと予測されている。

カルカロドントサウルスの歯の形状は、他の獣脚類に見られるような大きなカーブがなく、鋭い三角形でした。
この歯の特徴は、彼らが獰猛な捕食者であり、獲物の肉を効率的に切り裂いていたことを示唆しています。

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