プテラノドン Pteranodon
名前の由来
翼があり歯がない
科名
プテラノドン科
分類
爬虫綱、翼竜目
生息地(発見地)
アメリカ、日本
時代
8200万~7100万年前(白亜紀後期)
全長
約9m(翼幅)
体重
約15〜25kg
食性
魚食
Jurassic
Park / World シリーズ登場恐竜
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク における活躍
物語のラストシーンにのみ姿を見せます。
制作の初期段階では、彼らが本作における最後の敵(ラスボス)として登場する予定であったとされています。ジュラシック・パークIII における活躍
スピノサウルスと並ぶ今作の目玉として扱われます。
その注目度は高く、本作のロゴの下部にもその姿が描かれています。
前作『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』では脚本の変更により出番をほぼ失っていたため、ファンにとっては待望の本格的な登場となりました。
劇中では、放棄されていた巨大な「鳥籠(バードケージ)」にオスの個体群が生息しており、物語冒頭でボートの乗組員を襲撃したのも本種であった可能性が示唆されています。
しかし、その役回りは、主人公の一人であるエリックをさらい、雛の餌にしようとするという、非常に古典的なモンスターとしてのものでした。
物語のエンディングでは、閉まりきっていなかった鳥籠の扉から脱出した個体群が、イスラ・ソルナ島から飛び立っていく姿が描かれます。
なお、『ジュラシック・パークIII』での描写には、実際の古生物学的な見解とは異なる映画独自の演出が加えられています。
・飛行方法
実際のプテラノドンは高所から滑空する形で飛翔していたと考えられていますが、作中では鳥のように力強く羽ばたいて飛行しています。
・歯の有無
学名が「翼があり歯がない」を意味するにもかかわらず、なぜか口の中には鋭い歯が生えている点も、映画ならではの特徴と言えます。ジュラシック・ワールド における活躍
『ジュラシック・パークIII』の時とは大きな違いがあり、前作と比べサイズも小さくなって、歯が生えていないという、より現実に近い姿で描かれています。
口はトゲのように鋭く、相手を刺し殺すことが可能です。
ちなみに前作とは違い、登場する個体は全てメスであるため、トサカが小さくなっている点も特徴です。
劇中では、ディモルフォドンと共に数多くの個体が「翼竜園」のドームの中で暮らしていました。
しかし、インドミナス・レックスによって多くの個体が脱走し、パーク内に取り残された観光客たちを手当たり次第に襲撃しました。
本作では、カツオドリなどの海鳥のように水中に潜水して獲物を狩る姿が描かれています。
その内の1頭がザラを攫(さら)いますが、その後湖でモササウルスに襲われ、ザラごと餌食となりました。










































解説
プテラノドンは、白亜紀後期(約8,500万~8,000万年前)に北アメリカに生息していた巨大な翼竜です。
その名は「翼があり歯がない」を意味し、歯のないクチバシと巨大な翼が特徴です。
1,200以上の標本が発掘されている、最も有名な翼竜の一つです。
巨大な翼と驚異の軽量骨格
プテラノドンは、翼を広げると最大で9mにも及び、現生の飛行動物では想像できないほど巨大でした。
翼を広げると最大9mにも及んだ
しかし、これほどの巨体でありながら、体重は空を飛ぶのに有利なようにわずか15~25kg程度だったと推定されています。
この驚異的な軽量化の秘密は、その骨格にあります。
プテラノドンの骨は中身が空洞で非常に薄く、最も重くなる胴体の骨格も極限まで小さく作られていました。
プテラノドンは、筋力に頼るよりも、グライダーのように気流に乗って滑空する飛翔方法を用いていたと考えられています。
体の構造上、陸上での素早い動きは苦手でした。
そのため、海の傍にある崖など、高さのある地点から飛び降りて滑空し、着地場所にはかなり気を使っていたとされています。
特徴的なトサカと食性
プテラノドンは、頭部の後ろにある長くて大きなトサカが特徴的です。
頭部の後ろにある長くて大きなトサカが特徴
このトサカの役割については諸説あり、主に求愛のディスプレイに使われていたと考えられていますが、その他にも以下の説が提唱されています。
種の特定
仲間を見分ける目印。
体温調節
体の熱を逃がす器官。
飛行中のバランス
首を支点にバランスを取る役割や、飛行中の気流の察知に役立った。
クチバシは長く先端は鋭く尖っていましたが、歯はありませんでした。
主に魚を主食としていたと考えられており、ペリカンのくちばしのような大きな顎で獲物を丸のみしていた可能性が高く、捕食に支障はなかったと推測されています。
ペリカンのくちばしのような大きな顎で獲物を丸のみしていた
発見の歴史と生息環境
プテラノドンは1870年代に、アメリカの古生物学者オスニエル・チャールズ・マーシュによってカンザス州の地層で数多くの翼の骨が発掘されたのが最初です。
当初は歯のあるプテロダクティルスとして分類されましたが、1876年に歯のない頭蓋骨が発掘されたことで新属として確認され、改めて「プテラノドン」と命名されました。
主に北アメリカ大陸で発見され、日本でも化石の断片が見つかっています。
プテラノドンは、同属のニクトサウルスや、歯のある鳥のイクチオルニスと共存し、捕食者を避けるために高所に巣を作っていたと考えられています。