シノヴェナトル Sinovenator

名前の由来

中国の狩人

科名

トロオドン科

分類

双弓亜綱、竜盤類、獣脚類

生息地(発見地)

中国

時代

約1億2940万~1億2500万年前(白亜紀前期)

全長

約1m

体重

約500g〜2kg

食性

肉食

解説

中国・遼寧省にある白亜紀前期の地層から、恐竜から鳥類への進化の過程を解き明かす上で極めて重要な化石が発見されました。

2002年に命名された「シノヴェナトル」は、全長約1mほどの小型肉食恐竜です。
「中国の狩人」という勇ましい学名を持ちながら、その骨格には鳥類と共通する特徴が多く見られ、マニラプトル類がどのように空を目指したのかを示す重要な証拠となっています。

「中国の狩人」の意味と進化のミッシングリンク

シノヴェナトルという学名は、直訳すると「中国の狩人」を意味します。
彼らは、高い知能を持っていたとされる「トロオドン類」に属していますが、その中でも最も初期(原始的)なグループに位置づけられています。

鳥類に最も近い恐竜のひとつ

その骨格構造は鳥類と非常に似通っており、近縁であるドロマエオサウルス類とも共通する特徴を持っています。
シノヴェナトルの発見により、鳥類に見られる主要な形態的特徴が、この段階の恐竜(マニラプトル類)ですでに獲得されていたことが明らかになりました。
彼らは鳥類と恐竜の境界線上にいた存在なのです。

ダチョウのような俊足!走行に適した身体能力

シノヴェナトルの姿は、まさに「飛べない鳥」のようだったと考えられています。
短い前肢には羽毛が生えていたと推測されていますが、翼として空を飛ぶ機能までは持っていませんでした。

長い脚が生むスピード

特に注目すべきはその後肢です。
膝から下の部分が長く、全体的に脚が長いプロポーションをしていました。
これにより重心を安定させることができ、現代のダチョウのように高速で大地を駆け抜けることが可能でした。
彼らはその俊足を活かし、白亜紀の中国を走り回っていました。

実は控えめな食生活?「狩人」の意外な素顔

「狩人」という名を冠してはいますが、その食生活は意外にも慎ましやかだった可能性があります。

ギザギザのない歯

後期の進化したトロオドン類(ステノニコサウルスなど)とは異なり、シノヴェナトルの歯には、肉を切り裂くためのギザギザ(鋸歯)があまり発達していませんでした。

この特徴から、大きな獲物を積極的に襲う獰猛なハンターというよりは、昆虫やトカゲなどの小動物を素早く捕らえたり、時には他の動物の死肉を食べたりして暮らしていたと推測されています。
小さな体で大地を駆け、鳥への進化の道を歩んでいた彼らの化石は、生命の歴史を今に伝えています。

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