ドリオサウルス Dryosaurus

名前の由来

樫の木のトカゲ

科名

ドリオサウルス科

分類

双弓亜綱、鳥盤類、鳥脚類

生息地(発見地)

アメリカ、タンザニア

時代

約1億5500万〜1億4500万年前(ジュラ紀後期)

全長

約3〜4m

体重

約77〜90kg

食性

植物食

解説

恐竜たちが巨大化の一途をたどっていたジュラ紀後期の北アメリカ大陸。
見上げるような巨体の竜脚形類や、凶暴な肉食恐竜たちが闊歩する過酷な世界で、武器も鎧も持たずにひたすら「逃げること」で生き抜いた恐竜がいました。

その名は「ドリオサウルス」。

飾り気のないシンプルな姿で、何万年もの時を生き抜いた小型草食恐竜です。

名前の由来は「樫の木」?実態とのパラドックス

学名の意味と矛盾

ドリオサウルスという学名は、ギリシャ語で「樫の木(オーク)のトカゲ」を意味します。
歯の形状が樫の葉に似ていた、あるいは森林で暮らしていたことが由来とされています。

しかし、ここには植物学的なパラドックスがあります。
彼らが生きていたジュラ紀当時、地球上に「樫の木」の仲間はまだ誕生していなかったと考えられているのです。
名前に反して樫の木を知らないこの恐竜は、全長約3〜4m、体重77〜90kgほどの小型鳥脚類(イグアノドン類)でした。

武器は「スピード」のみ!3本指の足と進化

ドリオサウルスの最大の特徴は、あまりにあっさりとした見た目です。
トリケラトプスの角も、アンキロサウルスの鎧も、ステゴサウルスのスパイクもありません。

進化した足の構造

一見すると原始的なヒプシロフォドンに似ていますが、より進化した特徴を持っています。
後肢の指はヒプシロフォドンの4本に対し、ドリオサウルスは3本になっており、より走行に適した構造でした。

逃げるための「バネ」

彼らの唯一にして最大の防御手段は「走って逃げること」でした。
骨格を調べると、太ももの骨(大腿骨)よりもすねの骨(脛骨)の方が長く、これは速く走る動物特有の特徴です。
身軽な体とバネのような脚を活かし、森の中を疾風のように駆け抜けていました。

アロサウルスから逃げろ!巨大恐竜だらけの過酷な環境

ドリオサウルスの生息域は、まさに「怪獣たちの住処」でした。

巨大なライバルたち

ディプロドクスブラキオサウルスといった、自分の10倍以上もある巨大竜脚形類がひしめき合っていました。
彼らに踏み潰されないように注意しながら、巨大恐竜が食べ残した低い位置の植物や、硬い植物をクチバシで食べて命を繋いでいました。

凶悪な捕食者たち

さらに周囲には、アロサウルスケラトサウルスといった凶悪な大型肉食恐竜がウロウロしていました。
武器を持たないドリオサウルス、特に若い個体は格好の「エサ候補」でした。
それでも発見される化石の数は多く、彼らが過酷な環境でも種として繁栄していたことを物語っています。

赤ちゃんは四足歩行?成長と分類の真実

成長による変化

基本的に二足歩行ですが、孵化したばかりの幼体は前肢が頑丈にできており、四足歩行をしていた可能性があります。
成長と共に後肢が発達し、二足歩行の俊足ランナーへと変貌していったのでしょう。

世界中にいた?分類の変更

かつてはイギリスやタンザニアでも化石が見つかったとされていました。
しかし近年の研究により、それらは別種であることが判明しました(イギリス種は「ヴァルドサウルス」、タンザニア種は「ディサロトサウルス」)。
現在、ドリオサウルスは北米を代表する種として確立されています。

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