ドラコヴェナトル Dracovenator 名前の由来 龍の狩人科名 ディロフォサウルス科分類 双弓亜綱、竜盤類、獣脚類生息地(発見地) 南アフリカ時代 ジュラ紀前期全長 約5.5〜6.5m体重 約250kg食性 肉食解説中生代ジュラ紀前期の南アフリカに生息していた肉食恐竜「ドラコヴェナトル」。当時の環境下において非常に大柄な体躯を持ち、生態系の頂点付近に君臨していたと考えられるこの恐竜は、未だわずかな化石しか発見されていない謎多き存在でもあります。「ドラゴンの山」から名付けられた「龍の狩人」ドラコヴェナトルという学名は、直訳すると「龍の狩人(龍を狩るもの)」という意味を持っています。この勇ましい名前は、化石が発見された場所に由来しています。 化石は南アフリカにあるオランダ語で「ドラゴンの山」を意味する「ドラケンスバーグ(Drakensberg)」山脈の麓に位置するエリオット層から産出しました。 この地名にちなんで「龍の狩人」と名付けられたのです。1981年の発見以来、謎に包まれた化石立派な名前とは裏腹に、現在までに発見されているドラコヴェナトルの化石は極めて限られています。1981年にエリオット層でタイプ標本(BP/1/5243)が発見されましたが、発掘されたのは頭蓋骨の一部分(わずか5箇所)のみでした。 しかも「ギリギリ骨と分かるぐらい」の非常に断片的な状態であり、驚くべきことに1981年の発見から現在に至るまで、新規の標本は一切見つかっていません。そのため全体像の把握は難しく、近縁種の情報を参考にしながら研究が進められています。ディロフォサウルスに似たトサカと大柄な体躯断片的な化石しか残されていませんが、古生物学者たちの研究により「新獣脚類」の中の「ディロフォサウルス科」に属することが判明しています。ジュラ紀前期では大柄な体格推定全長は5.5〜6.5m、体重は約250kg。 これはジュラ紀前期の南アフリカの環境においては、かなり大柄な部類に入る体格でした。頭上のトサカ吻部(鼻先から口先)の化石において、頭側の後ろの方へ隆起した薄い骨が確認されています。 このことから、近縁である有名な肉食恐竜「ディロフォサウルス」に似た、特徴的な頭のトサカが生えていたと考えられています。専門的な骨格の特徴吻部は湾曲しており、ワニに似た細い歯が並んでいました。 また、記載論文によると、他の属と区別できる以下のような極めて専門的な骨格の特徴が確認されています。歯槽骨縁と深く狭い溝でつながっている大きな外側前顎孔を囲む大きな二股の窩関節骨の外側に斜めの切り欠きがある圧縮された下顎骨血管を穿ち「失血死」を狙う残酷な狩猟戦術当時の大型肉食恐竜であった彼らは、同じ時代・地域に生息していた「レソトサウルス」や、「マッソスポンディルス」といった大型の草食恐竜を狩っていた可能性が高いとされています。近年、近縁種であるディロフォサウルスの復元が見直されたことに伴い、ドラコヴェナトルもかつて考えられていたよりはるかに「力強い顎」を持っていた可能性が浮上しました。彼らの口に並ぶ鋭くて細い歯は、骨を噛み砕くためではなく「肉に深く突き立てる」ためのものでした。 自分と同じかそれ以上の大きさを持つ古竜脚類などの獲物に噛みつき、その細い歯で急所の血管を深く穿つことで大量出血を引き起こさせ、失血死させてからその肉を喰らうという、非常に残酷で確実な狩りのスタイルをとっていたと推測されています。まとめ南アフリカの「ドラゴンの山」の麓でひっそりと眠っていたドラコヴェナトル。わずかな頭骨の破片しか残されていないものの、そこから読み解かれたワニのような細い歯やディロフォサウルスに似たトサカ、そして「失血死を狙うハンター」としての姿は、ジュラ紀前期の過酷な生存競争を雄弁に物語っています。 いつの日か新しい化石が発見され、この「龍の狩人」の全貌が明らかになることが期待されます。このページをシェアする PREV トルヴォサウルス ドゥブレウイロサウルス NEXT この恐竜を見た人はこんな恐竜も見ています サウロペルタ Sauropelta 分類装盾類 特徴草食恐竜 時代白亜紀 アンキオルニス Anchiornis 分類獣脚類 特徴肉食恐竜羽毛恐竜 時代ジュラ紀 ドレッドノータス Dreadnoughtus 分類竜脚形類 特徴草食恐竜 時代白亜紀 ノトサウルス Nothosaurus 分類海の爬虫類 特徴肉食恐竜 時代三畳紀 スポンサーリンク スポンサーリンク
解説
中生代ジュラ紀前期の南アフリカに生息していた肉食恐竜「ドラコヴェナトル」。
当時の環境下において非常に大柄な体躯を持ち、生態系の頂点付近に君臨していたと考えられるこの恐竜は、未だわずかな化石しか発見されていない謎多き存在でもあります。
「ドラゴンの山」から名付けられた「龍の狩人」
ドラコヴェナトルという学名は、直訳すると「龍の狩人(龍を狩るもの)」という意味を持っています。
この勇ましい名前は、化石が発見された場所に由来しています。
化石は南アフリカにあるオランダ語で「ドラゴンの山」を意味する「ドラケンスバーグ(Drakensberg)」山脈の麓に位置するエリオット層から産出しました。
この地名にちなんで「龍の狩人」と名付けられたのです。
1981年の発見以来、謎に包まれた化石
立派な名前とは裏腹に、現在までに発見されているドラコヴェナトルの化石は極めて限られています。
1981年にエリオット層でタイプ標本(BP/1/5243)が発見されましたが、発掘されたのは頭蓋骨の一部分(わずか5箇所)のみでした。
しかも「ギリギリ骨と分かるぐらい」の非常に断片的な状態であり、驚くべきことに1981年の発見から現在に至るまで、新規の標本は一切見つかっていません。
そのため全体像の把握は難しく、近縁種の情報を参考にしながら研究が進められています。
ディロフォサウルスに似たトサカと大柄な体躯
断片的な化石しか残されていませんが、古生物学者たちの研究により「新獣脚類」の中の「ディロフォサウルス科」に属することが判明しています。
ジュラ紀前期では大柄な体格
推定全長は5.5〜6.5m、体重は約250kg。
これはジュラ紀前期の南アフリカの環境においては、かなり大柄な部類に入る体格でした。
頭上のトサカ
吻部(鼻先から口先)の化石において、頭側の後ろの方へ隆起した薄い骨が確認されています。
このことから、近縁である有名な肉食恐竜「ディロフォサウルス」に似た、特徴的な頭のトサカが生えていたと考えられています。
専門的な骨格の特徴
吻部は湾曲しており、ワニに似た細い歯が並んでいました。
また、記載論文によると、他の属と区別できる以下のような極めて専門的な骨格の特徴が確認されています。
血管を穿ち「失血死」を狙う残酷な狩猟戦術
当時の大型肉食恐竜であった彼らは、同じ時代・地域に生息していた「レソトサウルス」や、「マッソスポンディルス」といった大型の草食恐竜を狩っていた可能性が高いとされています。
近年、近縁種であるディロフォサウルスの復元が見直されたことに伴い、ドラコヴェナトルもかつて考えられていたよりはるかに「力強い顎」を持っていた可能性が浮上しました。
彼らの口に並ぶ鋭くて細い歯は、骨を噛み砕くためではなく「肉に深く突き立てる」ためのものでした。
自分と同じかそれ以上の大きさを持つ古竜脚類などの獲物に噛みつき、その細い歯で急所の血管を深く穿つことで大量出血を引き起こさせ、失血死させてからその肉を喰らうという、非常に残酷で確実な狩りのスタイルをとっていたと推測されています。
まとめ
南アフリカの「ドラゴンの山」の麓でひっそりと眠っていたドラコヴェナトル。
わずかな頭骨の破片しか残されていないものの、そこから読み解かれたワニのような細い歯やディロフォサウルスに似たトサカ、そして「失血死を狙うハンター」としての姿は、ジュラ紀前期の過酷な生存競争を雄弁に物語っています。
いつの日か新しい化石が発見され、この「龍の狩人」の全貌が明らかになることが期待されます。