アーケオルニトミムス Archaeornithomimus

身体的特徴と生態

アーケオルニトミムスは、ダチョウのようなほっそりとした体つきと、スレンダーでたくましい脚を備えていました。

ダチョウのようなほっそりとした体つきと、スレンダーでたくましい脚を備えていた。

骨格の作りが軽量であったため、その俊敏そうな見た目通り、地上を素早く駆け回ることができたと考えられています。

頭部は比較的小さく、大きな目を持ち、口は歯のないクチバシ状になっていました。
食性については、特定の食べ物に偏らない雑食性であったと推測されており、植物や昆虫、トカゲのような小動物などを食べていたと考えられています。

分類をめぐる混乱と「疑問名」

アーケオルニトミムスの分類は、その発見当初から現在に至るまで、多くの謎と混乱に満ちています。

名前の由来と原始的特徴

その名が示す通り、発見当初はオルニトミムスの祖先的な存在と考えられていました。
しかし、その特徴には僅かながら原始的な部分が見られます。
例えば、前肢の第1指が短く、これは他のオルニトミムスの仲間とは異なる特徴でした。

「最古」ではない？

「太古の」という名が付けられていますが、彼より遥か昔に生息していたペレカニミムスが存在しているため、アーケオルニトミムスがオルニトミムス類の直接的な祖先であったとは断言できない状況です。

「疑問名（nomen dubium）」としての現状

アーケオルニトミムスの最大の課題は、発見されている化石が非常に断片的であることです。
足の骨や背骨の一部など、ごくわずかな化石しか見つかっていません。
そのため、他のオルニトミムス類の恐竜と明確に区別できる固有の特徴が乏しく、多くの古生物学者は、この属が有効な分類群であるか疑問視しています。
このような学名は「疑問名（nomen dubium）」と呼ばれ、アーケオルニトミムスという名前が、独立した種として本当に正しかったのかどうか、結論が出ていないのです。

最新の分類説（デイノケイルス類説）

この分類の謎はさらに深まっています。
最近の研究によると、アーケオルニトミムスはオルニトミムスではなく、むしろデイノケイルスの仲間だったのではないかと推測されています。
もしこの説が正しければ、「アーケデイノケイルス」と呼ぶ方が正しいのかもしれません。

生息環境

アーケオルニトミムスの化石が発見されたイレンダバス層は、当時は川や湖が点在する緑豊かな氾濫原でした。
この環境には、巨大なオルニトミムス類であるギガントラプトルや、ハドロサウルス類、ティラノサウルス類など、多種多様な恐竜が生息しており、アーケオルニトミムスはこれらの恐竜と共存していたと考えられています。

謎多き恐竜、アーケオルニトミムス。
その真の姿と分類を明らかにするためには、今後のより完全な化石の発見が待たれます。